(食品安全情報2011年11号(2011/6/1)収載)
欧州委員会(EC)は、主にドイツで大きな被害を生じ、その他の4加盟国でも影響が出ている志賀毒素産生性大腸菌(STEC:Shiga toxin-producing E. coli)アウトブレイクについて、感染源と確認された食品の1つを「食品および飼料に関する早期警告システム(RASFF)」を通じて27加盟国に通知した。
ドイツ当局は、27日夕方早く、スペインの2県(Almeria、Malaga)から輸入されたオーガニックキュウリがアウトブレイクの感染源の1つであると特定したことをECに通知した。オランダから輸入されたキュウリのバッチも感染源の疑いがあるとして調査中であるが、その他の可能性のある感染源についても、ドイツ国内で調査中である。スペイン当局は、当該オーガニックキュウリの生産施設の正確な特定に全力を注いでいる。
ドイツでは、今回の大腸菌アウトブレイクによって5月27日の時点で2人が死亡し、合計214人の患者が報告されている。患者の約7/10(68%)が女性である。スウェーデンでは10人、デンマークでは4人、英国では3人、オランダでは1人の患者発生がそれぞれ報告されている。本アウトブレイクは主にドイツのハンブルク地域で発生しており、ドイツ国外で報告された患者の大多数は当該国を訪れたドイツ国民、またはドイツを訪問した人のいずれかである。