欧州食品安全機関(EFSA)からの大腸菌O104関連情報
http://www.efsa.europa.eu/


2011年のドイツおよびフランスでの大腸菌アウトブレイクを受けて発表されたスプラウトの喫食に関する助言を更新
EFSA updates consumer advice on sprout consumption following the 2011 E. coli outbreak in Germany & France
3 October 2011
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/111003a.htm

(食品安全情報2011年21号(2011/10/19)収載)

 欧州食品安全機関(EFSA)は、スプラウトおよびスプラウト種子の喫食に関する消費者向けの助言を変更した。欧州委員会(EC)は、2011年にフランスおよびドイツでスプラウトによる大腸菌感染アウトブレイクが発生した際にEU加盟国が行ったフードチェーン全体の追跡調査が完了したことをEFSAに伝えた。汚染の可能性が最も高いとされたエジプト産の特定ロットのフェヌグリーク種子は全加盟国の市場から回収され、現在も輸入規制が敷かれている。EFSAは、消費者に対するこれまでの助言「スプラウトの自家栽培をしないこと、完全に火を通したものでない限りスプラウトまたはスプラウト種子を喫食しないこと」を取り下げた。EFSAは、スプラウトの喫食について各国の食品安全当局の助言を参照するよう推奨している。

 これを機にEFSAは消費者に対し、生鮮野菜の調理および喫食の際は、調理前に手指を洗うこと、飲用の流水で十分に洗うこと、そのまま喫食可能な(ready-to-eat)食品や加熱済み食品と生の食品を別々に扱うことなどの適正衛生規範の重要性について再度注意を喚起している。

 今回の助言更新と同時に科学的報告書も発表された。報告書には、食品安全の観点から、上述の大腸菌O104:H4感染アウトブレイクの際に何が起こったについて包括的概要が記載されている。このアウトブレイクにより欧州では約50人が死亡し、この数十年間に欧州で発生した食品由来アウトブレイクの中で最大級のものとなった。

 現在、EFSAのBIOHAZ科学パネル(生物学的ハザードに関する科学パネル)は、ECの依頼により、EUのスプラウトおよびスプラウト種子の生産チェーンに関するリスク評価を行っており、数週間のうちに科学的意見を発表する予定である。


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部