(食品安全情報2011年13号(2011/6/29)収載)
欧州食品安全機関(EFSA)の研究者は、ドイツでスプラウト関連の大腸菌アウトブレイクが発生した後、フランスのボルドー地域で類似の大腸菌アウトブレイクが発生したことを受け、EUにおけるすべての汚染スプラウト(sprouted seeds)の生産・流通経路について関係機関が連携して追跡調査を行うためのタスクフォースを設置する。
フランス当局によるボルドーの大腸菌アウトブレイクの調査は現在も続けられており、スプラウトの喫食と健康被害との関連はまだ明確には立証されていない。もしこれが確定すれば、フランスのアウトブレイクと5月にドイツで発生したモヤシ(bean sprouts)関連のアウトブレイクで、スプラウトの種子が共通の感染因子の可能性があると見なすことができる。
フランス当局の発表によれば、ボルドー地域で複数の出血性下痢症患者が発生しており、このうち数名が志賀毒素産生性大腸菌(STEC:Shiga toxin-producing E. coli)によって発症することがある溶血性尿毒症症候群(HUS:haemolytic uremic syndrome)と診断された。
予備的な微生物検査により、患者2名から大腸菌O104:H4が検出された。フランス当局は、この株がドイツのアウトブレイク株と同じであるとしている。疫学調査から、多数の患者が互いに隣接して居住し、6月8日にボルドー近郊のBègles地域のレクリエーション施設の一般公開に参加していたことが明らかになっており、患者の多くがこの日に様々な料理に使われていたモヤシを喫食したとされている。