欧州疾病予防管理センター(ECDC)からの大腸菌O104関連情報
http://www.ecdc.europa.eu/


ドイツの志賀毒素産生性大腸菌アウトブレイク(6月14更新情報)
Outbreak of Shiga toxin-producing E. coli in Germany (14 June 2011, 11:00)
14 Jun 2011
http://www.ecdc.europa.eu/en/activities/sciadvice/Lists/ECDC%20Reviews/ECDC_DispForm.aspx?List=512ff74f%2D77d4%2D4ad8%2Db6d6%2Dbf0f23083f30&ID=1112&RootFolder=%2Fen%2Factivities%2Fsciadvice%2FLists%2FECDC%20Reviews

(食品安全情報2011年12号(2011/6/15)収載)

 2011年5月22日、ドイツ当局は、志賀毒素産生性大腸菌(STEC)により溶血性尿毒症症候群(HUS)と出血性下痢の患者が多数発生していることを報告した。5月2日以降、EU加盟国からHUS患者818人とHUSを発症していないSTEC感染患者2,514人が報告されており、このうちドイツの患者数はそれぞれ782人と2,453人である。EU/EEA加盟国内でHUS患者23人とHUSを発症していないSTEC感染患者13人が死亡した。

通常はSTEC感染によってHUSを発症するケースは5歳未満の小児に多いが、今回のアウトブレイクでは患者の大部分が成人であり、おおよそ2/3が女性である。

ほとんどの患者はドイツ北部(主にシュレスウィヒ・ホルシュタイン、ニーダーザクセン、ノルトライン・ヴェストファーレンおよびハンブルク)在住、もしくはその地域への旅行歴がある。EU/EEA加盟国内では、ドイツ、オーストリア、デンマーク、オランダ、ポーランド、スペイン、スウェーデンおよび英国がこのアウトブレイクに関連するHUS患者を報告しており、さらに別の5カ国がHUSを発症していないSTEC感染患者のみを報告している。【6月8日以降、EU加盟国はEUの新しい症例定義を用いて報告している。このため、5カ国(フランス、オランダ、スウェーデン、英国およびフィンランド(フィンランドは報告数0に変更))ではそれ以前の報告と数値が異なっている。】

検査機関での検査により、病因物質はSTEC O104:H4(Stx2陽性、eae陰性、hly陰性、基質特異性拡張型βラクタマーゼ(ESBL)、aat、aggR、aap)であることが判明した。ドイツの患者由来の7株とデンマークの患者由来の2株のPFGEパターンは区別がつかなかった。

ドイツの規制機関は、ドイツのニーダーザクセン州の特定の農場から出荷された食品が感染源である可能性が最も高いとして、当該農場から出荷された食品(マメのスプラウトや他の野菜等)の回収を行うと発表した。

表:6月14日11時時点のEU/EEA加盟各国のHUS患者数、HUSを発症していないSTEC患者数、およびこれに関連する死亡者数


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部