(食品安全情報2011年12号(2011/6/15)収載)
ニーダーザクセン州農業省は2011年6月5日、Uelzen地区の園芸農場由来のスプラウトが腸管出血性大腸菌(EHEC)を拡散させた疑いがあると発表した。同省は、当面の間、スプラウトの喫食を避けるよう推奨している。
ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)およびロベルト・コッホ研究所(RKI:Robert Koch Institute)は、現在発生中のアウトブレイク調査に関して食品モニタリングを担当している州当局に助言と支援を行っている。BfRの大腸菌の国立リファレンス検査機関(National Reference Laboratory for Escherichia coli)は、ニーダーザクセン州当局と緊密に協力し、新しい有効な方法を用いてスプラウト検体を検査する予定である。今回のアウトブレイクの原因であるEHEC O104:H4の、当該スプラウトからの確定的な検出はまだされていない。
BfRおよびRKIは、2011年5月に発生した深刻なアウトブレイクをふまえ、アウトブレイクの正確な原因が特定されるまでは念のため、感染源と疑われているドイツ北部で販売された非加熱タイプの野菜(トマト、キュウリおよびサラダ)を喫食しないよう引き続き推奨している。少ない細菌数でも感染が成立するため、伝播は極めて容易に起こりうる。
生鮮スプラウトおよび胚芽は、サンドイッチやサラダの具材としてしばしば未処理および軽い湯通しのみで喫食される。最もよく知られているものが大豆モヤシで、緑豆のスプラウトである。しかし、アルファルファ(lucerneの米国での呼称)やレンズマメ(lentil)、ラディッシュ、エンドウ豆(グリンピース)、豆およびニンニクなどその他のタイプのスプラウトも、マイルドな香りが好まれて消費量が増加している。