ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)からの大腸菌O104関連情報
http://www.bfr.bund.de/en/home.html


2011年の腸管出血性大腸菌(EHEC)アウトブレイク:スプラウトの取扱い方法に関する推奨事項
EHEC outbreak 2011: Recommendations on the handling of sprouts
29.11.2011
http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2011/41/ehec_outbreak_2011__recommendations_on_the_handling_of_sprouts-127982.html

(食品安全情報2011年25号(2011/12/14)収載)

 ドイツおよび欧州連合(EU)域内で2011年に発生した腸管出血性大腸菌(EHEC)O104:H4アウトブレイクに関する調査が完了した。この調査に参加した各機関は、本アウトブレイクの原因が、ニーダーザクセン州(ドイツ)の園芸業者と一般家庭でスプラウト栽培に使用されたエジプト産フェヌグリーク種子であったと結論した。この種子が汚染された場所や経路は特定できなかった。

 今回のアウトブレイク調査の過程で得られた知見、および欧州食品安全機関(EFSA)のBIOHAZパネル(生物学的ハザードに関する科学パネル)による専門家の意見(2011年11月15日発表)にもとづき、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は推奨事項を更新した。以下の推奨事項は、スプラウトや芽(seedling)の喫食による感染の予防を図るもので、消費者およびスプラウトやその種子の生産・流通業者を対象としている。

 業者がスプラウト用種子の生産、貯蔵、取扱いおよび輸送を行う際は、可能な限り汚染リスクを最小限に抑えるため、厳しい衛生基準を順守しなければならない。また、スプラウトの栽培業者は、特にスプラウト栽培用として生産された種子のみを使用することが推奨される。可能であれば、病原菌の数を適切に低減できる方法でスプラウト用種子を処理すべきである(特にスプラウトが生食用の場合)。栽培工程と栽培されたスプラウトは、微生物学的方法を用いて定期的に検査しなければならない。

 BfRは消費者に対し、スプラウトは病原菌に汚染される可能性があるが、加熱によってそれらを死滅させることができると指摘している。したがって、免疫機能が低下している者は、念のため十分に加熱処理したスプラウトのみを喫食すべきである。病原菌の汚染レベルを低減させるため、スプラウトを生で喫食する場合は十分に洗浄し、できるだけ早く喫食すべきである。しかし、スプラウトを洗浄しただけでは病原菌を安全なレベルにまで除去することはできない。予防措置として、2011年10月以前に購入したフェヌグリーク種子は栽培してはならない。これらは十分に加熱して料理に使用するか、家庭ゴミとして廃棄すべきである。


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部