ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)からの大腸菌O104関連情報
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生のスプラウトおよび芽(胚芽)の喫食に関する推奨事項を発表
EHEC: BfR, BVL and RKI issue specified consumption recommendations for uncooked sprouts and shoots (germ buds)
23/2011, 21.07.2011
http://www.bfr.bund.de/en/press_information/2011/23/ehec__bfr__bvl_and_rki_issue_specified_consumption_recommendations_for_uncooked_sprouts_and_shoots__germ_buds_-106086.html

(食品安全情報2011年15号(2011/7/27)収載)

 2011年6月10日、ドイツ連邦当局はEHEC O104:H4感染から消費者を保護するため、新たな発表があるまでは予防的にスプラウトおよび芽(胚芽)を生で喫食すべきではないとの推奨事項を発表した。調査により、ドイツのEHECアウトブレイクの感染源はエジプトから輸入されたフェヌグリーク種子である可能性が高いとされた。

 疫学調査や種子の流通に関する後ろ向き/前向き追跡調査から、状況が明らかになった。これらの調査は、ドイツ連邦消費者保護・食品安全庁(BVL)が特別に立ち上げたEHECタスクフォースによって行われた。フランスで同じ菌による感染患者が発生してからは、欧州食品安全機関(EFSA)が設立した欧州タスクフォースが国際的な後ろ向き追跡調査を開始した。

 6月30日、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)はドイツの各規制当局に対し、調査で特に注視されたフェヌグリーク種子のバッチの流通経路について全容を明らかにし、市場から回収するよう勧告した。ニーダーザクセン州(ドイツ)の園芸農場で4月と5月に生産され、多数のEHEC感染患者の感染源であるとされたスプラウトに、当該バッチの種子の一部が使用されていた。7月6日、欧州委員会(EC)は、2009〜2011年にエジプトから輸入され、EUレベルの追跡調査で特定されたバッチのフェヌグリーク種子を市場から回収し廃棄する決定を下した。また、ECは、エジプトからの新たなフェヌグリーク種子およびその他の種子の輸入を2011年10月31日まで一時停止することとし、これらの措置は現在実施中である。

 地域当局は関連する業者に対するリスクベースの管理の一環として、輸入、流通およびスプラウト栽培における交差汚染のすべての可能性を調査した。現時点ではドイツ国内で他の種子に交差汚染が起こったことを示す調査結果は出ていない。

 2009〜2011年に購入した自家栽培用のフェヌグリーク種子が家庭に残っている場合は、それらを廃棄すべきである。フェヌグリーク種子を含むブレンド種子も同様である。

 フェヌグリーク種子を栽培ではなくスパイスに使用する場合は、使用前にフライパンでローストするなどして完全に火を通すべきである。

 BfRは、生食用のスプラウトや芽の生産業者に対し、種子が保持するすべての病原菌を死滅させる方法で種子を追加的に処理するよう助言している。スプラウトや芽の栽培環境は病原菌などの増殖に適している。2009年にBfRはスプラウトや芽の微生物汚染の調査を行ったが、包装されたスプラウトや芽の細菌数は数日のうちに大幅に増加していた。

 現在のアウトブレイクが収束したとしても、ヒト−ヒト感染や感染したヒトによって汚染された他の食品を介してEHEC O104:H4感染患者が発生することが予想される。したがって、個人および食品の衛生対策を厳格に行うことが必須である。


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部