(食品安全情報2011年11号(2011/6/1)収載)
ドイツ北部で腸管出血性大腸菌(EHEC)アウトブレイクが発生している。ロベルト・コッホ研究所(RKI)とハンブルク衛生当局が行った疫学調査により、健康な調査参加者に比べて、今回の患者が生のトマト、キュウリおよびグリーンサラダを有意に多く喫食していたことが明らかになった。この3つの食品のいずれが関連しているかはまだ確認されていない。
多数の溶血性尿毒症症候群(HUS)患者の原因はこれらの食品の1つまたは複数の喫食とも考えられるが、他の食品である可能性も否定できない。調査が行われたのはハンブルクのみであるため、関連するほかの地域についてはあくまで条件付きの解析結果である。
ハンブルクでは、患者25人と性別、年齢および居住地をマッチさせた健康な者96人を対象に調査を行った。2011年5月20日から、ハンブルクの病院の患者に、食習慣と可能性のあるその他の感染源について質問した。根本的な原因を特定するため、ハンブルクの健康な者の喫食習慣も調査した。
最も深刻な被害がドイツ北部で続いているため、汚染食品の多くは北ドイツで販売されたと考えられる。しかし、RKIに他の複数の州からもHUS患者が報告されているため、汚染食品は他の地域でも販売された可能性がある。
この重大なアウトブレイクの予防措置として、RKIおよびドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は、果物と野菜の取り扱いに関する通常の衛生規則に加え、新しい情報が得られるまでは、特に北ドイツで生のトマト、キュウリおよびグリーンサラダを喫食しないよう注意を呼びかけている。