平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

植物成分由来の内分泌かく乱物質の検索

分担研究者 梅原 薫 (静岡県立大学 薬学部助手)
(以下の研究者との共同研究として行った)
出川 雅邦 (静岡県立大学 薬学部教授)(主任研究者)
根本 清光 (静岡県立大学 薬学部助手)(分担研究者)

研究要旨

  植物界におけるglucocorticoid(GC)様物質の存在状況を明らかにするとともに、それらの単離及び構造決定を目的として、GCに対し高感度かつ特異的な作用点を有し、GCの作用発現機構を模したルシフェラーゼレポータージーンアッセイ系を構築した。この新たに構築したGCアッセイ系を用い、93種の生薬・植物メタノールエキスのスクリーニングを行った結果、39種のエキスが活性を示し、GC様物質が広く植物界に分布することが認められた。活性を示したエキスの内、イヌマキについて活性成分の分離、構造決定を行った結果、GC様物質として8種のフラボノイドを含む、計11種の化合物を得た。イヌマキより得られたフラボノイド、ならびに関連化合物計28種のGC様活性を検討したところ、水酸基の数・結合位置の違い、及び糖の有無が活性に差を与えることが認められた。このアッセイ系はGC以外にも、プロモーター部位を変える事で異なるホルモンに対する応答性を測定できる特長を持つ事から、広く環境ホルモン検索ツールとしての利用が期待される。

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