平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

PCB類の代謝 : 動物種差

分担研究者  木村 良平 (静岡県立大学 薬学部教授)
協力研究者  加藤 善久 (静岡県立大学 薬学部講師)
(以下の研究者との共同研究として行った)
出川 雅邦 (静岡県立大学 薬学部教授)(主任研究者)
根本 清光 (静岡県立大学 薬学部助手)(分担研究者)

研究要旨

  既に、著者らは9種類のPCBsの3-および4-メチルスルホン(3-及び4-MeSO2)代謝物には、血清中甲状腺ホルモンの低下作用のあることを報告した。今回、これらの内8種類のMeSO2-PCBsは、肝臓のUGT1A1及びUGT1A6を誘導することにより、thyroxine(T4)の代謝を亢進し、血清中T4濃度の低下を引き起こすことを明らかにした。このように、MeSO2代謝物に内分泌かく乱作用のあるPCBでは、PCBの代謝パターン及び肝薬物代謝酵素活性への影響の違いが、各動物種の内分泌かく乱作用発現において種差が表れる要因の一つと考えられる。そこで、2,2',4',5,5'-pentachlorobiphenyl(CB101)及び2,2',3',4',5,6-hexachloro-biphenyl(CB132)をラット、マウスに腹腔内投与し、経時的に糞及び肝臓中含硫代謝物濃度、肝薬物代謝酵素活性を測定した。ラット、マウスに、CB101及びCB132投与後、両種間の経時的な組織重量の変化に違いが認められた。また、各PCB投与後、未変化体及びMeSO2代謝物の肝臓中濃度及び糞中排泄量に、ラット、マウス間に明らかな差異が認められた。各PCB投与後、第1相薬物代謝酵素誘導は、マウスよりラットにおいて顕著であり、UDP-glucuronosyltransferase(UGT1A6、UGT2B1)、glutathione S-transferase(mu class、pi class)活性の増加割合は、ラット、マウスで異なっていた。

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