平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

ダイオキシン類のチトクロームP450酵素による代謝とその動物種差・性差

分担研究者  藤井 宏融 (呉大学 看護学部教授)

研究要旨

  2,3,7,8-TCDDのチトクロームP450酵素による代謝に関する次の3点について検討した。

1)2,3,7,8-TCDD分析条件設定:ヒューレットパッカード社のHP5973システムで最適な分析を次のように設定した。分析カラム:HP-5、分析温度:70-280℃(15℃/min昇温)、検出限界:1pg(S/N:5)。代謝産物の測定はSIM(m/z:322,m/z:257)で検出し、2,3,7,8-TCDDのm/z:257と代謝産物のそれとの比で定量した。

2)2,3,7,8-TCDD抽出方法の決定:ジクロルメタンで抽出、ジクロルメタン層を分取、乾燥後、ヘキサン(またはノルマルノナン)で再溶解、GC/MSに注入

3)2,3,7,8-TCDDのミクロソーム系での代謝産物検出:酵素標品としてラット肝ミクロソーム、電子供与体としてのNADPH、基質として2,3,7,8-TCDDを37℃で1-2時間保温し、ジクロルメタン1mlを加えて反応を停止させた。前記条件で抽出、分析した結果、1種類の分解産物を検出した。この物質緒フラグメントイオンはm/z:257(100.0),m/z:126(55.9),M/z:239(21.6)であった。

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