(食品安全情報2013年17号(2013/08/17)収載)
ノロウイルスは、その疫学的特徴により感染率や伝播率が高く、子どもの胃腸炎の最も多い原因の1つとなっている。欧州疾病予防管理センター(ECDC)は今回新しい技術報告書を発行し、ノロウイルスアウトブレイクの予防・管理の向上のために実施できる対策についてガイダンスを提供している。
本技術報告書「学校や保育施設におけるノロウイルス感染の予防(Prevention of Norovirus Infection in Schools and Childcare Facilities)」は、ノロウイルスの拡散を管理するための様々な方法の有効性について、欧州連合(EU)加盟各国に助言を行っている。また、学校や保育施設での胃腸炎アウトブレイクの予防・管理に関して、関連する知見のレビューを行っている。
本ガイダンスの大部分は今までの多くの国際ガイドライン文書を統合したもので、複数の専門家の合意により作成された。ノロウイルス感染の予防・管理対策の有効性については調査研究があまり行われていない。
主要な予防策としては、効果的な手洗い、保育施設(特にトイレ)のこまめな清掃、確立した食品衛生基準の遵守などが挙げられる。報告書では、各対策の有効性が詳しく解説されている。
今回発行された技術報告書については、2012年7月12日〜8月31日に一般からの意見公募が行われた。報告書はその際に得られた意見を参考にして改訂された。