米国疾病対策センター(US CDC: Centers for Disease Control)からのノロウイルス関連情報
http://www.cdc.gov/


米国のノロウイルス感染症
Norovirus Disease in the United States
Emerging Infectious Diseases, Volume 19, Number 8, 1198-1205 (August 2013)

http://wwwnc.cdc.gov/eid/article/19/8/pdfs/13-0465.pdf(PDF版)

http://wwwnc.cdc.gov/eid/article/19/8/13-0465_article.htm

(食品安全情報2013年17号(2013/08/21)収載)

 ノロウイルスは、すべての年齢層において流行性急性胃腸炎の主要な原因であると認識されているが、常在性の(endemic)ノロウイルス感染症の発生率については、まだ十分に明らかにされていない。しかし最近行われたいくつかの調査研究において、寄与割合外挿法(attributable proportion extrapolation)、地域住民を対象としたサーベイランス、間接モデリングなどの様々な手法の使用により、米国のノロウイルス感染症の発生率がかなり正確に推定されている。米国では、平均すると、毎年ノロウイルスが原因で死亡者570〜800人、入院患者56,000〜71,000人、救急外来患者40万人、外来患者170万〜190万人が発生しており、年間の総患者数は1,900万〜2,100万人となっている。ノロウイルス関連の死亡リスクは65歳以上の高齢者で最も大きく、ノロウイルス関連の受診率は5歳未満の小児で最も高い。常在性のノロウイルス感染症は年間を通じて発生するが、冬季に顕著なピークを示し、パンデミック株が出現する年には患者数が50%弱増加する。これらの知見は、ワクチンなどのノロウイルス感染症に対する適切な介入策の継続的な策定と選択の必要性を支持している。


国立医薬品食品衛生研究所安全情報部