(食品安全情報2018年14号(2018/07/04)収載)
英国市場でシェア上位の小売チェーン9社は、英国産生鮮丸鶏のカンピロバクター汚染に関する最新の検査結果を公表した(検査は2018年1〜3月に行われた)。
この最新のデータによると、主要な小売チェーン9社の平均で、検査した丸鶏検体の3.8%が最高レベル(>1,000 cfu/g)のカンピロバクター汚染を示した。前回の検査時(2017年10〜12月)にはこの値は3.6%で、主要小売チェーンが初めて自主的に検査を行った時(2017年7〜9月)には4.6%であった。
背景
英国食品基準庁(UK FSA)は、フードチェーン全体を挙げてカンピロバクター問題に取り組む活動の一環として、2014年2月から鶏肉のカンピロバクター汚染検査とその結果の公表を実施している。カンピロバクターは英国で食中毒の最も一般的な原因となっている。
2017年9月21日、FSAはカンピロバクター汚染検査の方法の変更を発表し、主要な小売チェーンはFSAが定めたプロトコルに従って自主検査およびその結果の公表を行うことになった。FSAは小売り生鮮丸鶏検体の検査を続けているが、現在は中・小規模小売チェーンおよび個人商店の検体に焦点を絞っている。
結果
各小売チェーンが検査した検体数の違いにより結果に偏りが生じるのを避けるため、今回、データ解析法が修正された。最高レベルの汚染が検出された鶏肉検体の割合は、前回の検査結果から変化なく、引き続き低レベルを維持した。
以下の表は、丸鶏検体のカンピロバクター汚染%に関して主要小売チェーン9社の平均値を示したものである。
データ解析法は今回、小売チェーンごとの検体数の違いをより正確に反映させるため、以前の報告で使用した方法が修正された。表中の2017年7〜12月分のデータは、全検査期間にわたり有意義な比較が可能となるよう今回更新されたものでる。