Eurosurveillanceのカンピロバクター関連情報
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ベルギーにおけるサルモネラ症、カンピロバクター症およびリステリア症の実被害(時系列解析、2012〜2020年)
Burden of salmonellosis, campylobacteriosis and listeriosis: a time series analysis, Belgium, 2012 to 2020
Eurosurveillance, Volume 22, Issue 38
21 September 2017
http://www.eurosurveillance.org/ViewArticle.aspx?ArticleId=22877

(食品安全情報2018年11号(2018/05/23)収載)


 サルモネラ症、カンピロバクター症およびリステリア症はいずれも食品由来疾患である。ベルギーにおける2012〜2020年のこれら3種類の疾患の患者数の推定および予測を行い、障害調整生存年(DALYs)を算出した。

 患者数の時系列解析では、サルモネラ症についてはBai-Perronの2ブレイクポイントモデル、カンピロバクター症には動的線形モデル、リステリア症にはポアソン自己回帰モデルが適用された。

 サルモネラ症の月間患者数の平均値は2012年が264人(標準偏差(SD):86人)で、2020年は212人(SD:87人)と予測され、カンピロバクター症ではそれぞれ633人(SD:81人)および1,081人(SD:311人)であった。リステリア症の場合は2012年が5人(SD:2人)、2014年が6人(SD:3人)と推定された。DALYsの算出には種々の補正因子が適用された。その結果、サルモネラ症については2012年が102 DALY(95%不確実性区間(UI):8〜376)と推定され、2020年は82 DALY(95%UI:6〜310)と予測された。カンピロバクター症ではそれぞれ1,019 DALY(95%UI:137〜3,181)および1,736 DALY(95%UI:178〜5,874)であった。リステリア症(周産期リステリア症を除く)の場合は2012年が208 DALY(95%UI:192〜226)、2014年が252 DALY(95%UI:200〜307)と推定された。

 カンピロバクター症患者数は2020年までにほぼ倍増する可能性があることから、カンピロバクター属菌の食品由来感染のリスクを低減させる新たな対策が必要である。



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部