米国農務省(USDA)からのカンピロバクター関連情報
https://www.usda.gov


米国農務省(USDA)が食品安全のための追加の要件として家禽製品の新しい検査システムを発表
USDA Announces Additional Food Safety Requirements, New Inspection System for Poultry Products
July 31, 2014
http://www.usda.gov/wps/portal/usda/usdahome?contentidonly=true&contentid=2014/07/0163.xml

(食品安全情報2014年17号(2014/08/20)収載)


 米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、米国民が喫食する鶏肉・七面鳥肉製品をより安全なものにするための重要な一歩を発表した。家禽業者はサルモネラおよびカンピロバクターをコントロールするための新しい要件を遵守することが必要となり、科学的根拠にもとづき家禽関連施設に食品安全検査官をより合理的に配置する「家禽製品の新しい検査システム(New Poultry Inspection System : NPIS)」の施行により、毎年最大5,000人の食品由来疾患患者の発生が防止されると推定される。

 FSISは今後、サルモネラおよびカンピロバクター汚染について、発生した後にこれらに対処するのではなく、発生の予防を優先するようすべての家禽関連業者に求めていく。また、サルモネラおよびカンピロバクター汚染が適切に管理されていることを示すために、すべての家禽関連施設に生産工程の2つの段階で独自の微生物学的検査を実施することを初めて要求する。以上の要件は、今後も継続されるFSISによる検査とは別に課されるものである。

 FSISはまた、任意選択のNPISを導入する予定である。このシステムでは、家禽関連業者はFSISによる検査の前に自社製品を品質により区分することが求められる。このシステムによりFSISの検査官は、サルモネラなどの病原菌の予防にほとんど関係のない通常の品質保証業務にあまり時間をかけず、その代わり、食品安全を強化することが証明された対策により多くの労力を注ぐことが可能となる。具体的には、内臓摘出工程での家禽類の詳細検査のための採取、検査のための検体サンプリング、生産施設の衛生状態の確認、食品安全計画の遵守状況の検証、生きた鳥の疾患の徴候や不適切な取扱いの監視、および生産施設がすべての関連規則を遵守していることの確認をより多くの検査官がより高頻度に行えるようになる。

 一般公募の意見に従い、新たにNPISを導入する生産施設のライン速度は最高で1分間に140羽までとし、現行の検査プログラムでの最高速度を維持した。また、NPISに従って操業する家禽関連業者はすべて、業務関連の負傷や疾病の早期報告を推奨するプログラムを維持しなければならず、FSISの職員は、生産施設の従業員に害を及ぼす可能性がある職場ハザードについて、その報告方法(職業安全衛生管理局(OSHA)への内密の直接電話報告を含む)に関する新しい指示を受けることになっている。

 FSISは、NPISがサルモネラおよびカンピロバクターによる食品由来疾患の患者を毎年約5,000人減少させると推定している。サルモネラ症患者数は過去10年間に何度かの急増を示しつつ全体としては一定レベルを維持しており、カンピロバクター症は米国で2番目に多く報告される食品由来疾患である。今回の新しい検査モデルは、食肉・家禽製品によるサルモネラ症へのFSISの対応として2013年12月に発表された対サルモネラ行動計画(Salmonella Action Plan)の中核をなしている。また、同行動計画では、丸鳥については病原体低減達成基準の改定、および消費者がよく購入する家禽の各部位については同達成基準の初めての設定が予定されている。これらの新しい基準は2014年後半に発表される。

 連邦公報(Federal Register)に掲載される予定の最終規則はFSISの以下のサイトから入手可能。
http://www.fsis.usda.gov/poultryinspection




国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部