オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)からのカンピロバクター関連情報
http://www.rivm.nl/


人獣共通感染症報告書(2013年)
Zoonotic Diseases Report 2013
2014-12-02
http://rivm.openrepository.com/rivm/bitstream/10029/557045/3/2014-0076.pdf (報告書PDF、オランダ語)
http://rivm.openrepository.com/rivm/handle/10029/557045

(食品安全情報2014年26号(2014/12/24)収載)


 オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)とオランダ食品消費者製品安全庁(NVWA)は2013年の人獣共通感染症報告書を発行した。報告書にはオランダにおける人獣共通感染症の現状と長期傾向に関する情報が含まれている。2013年はそれまでと同様にオランダにおける人獣共通感染症発生件数に大きな変化は見られなかったが、特記すべき事例としては野兎病(tularemia)の発生があった。今回の報告書は特に「家庭の周辺での人獣共通感染症」に注視し、家庭内または家庭の周辺における感染リスクを取り上げている。


特記すべき事例

 2013年5月にLimburg州の北部地域で1匹の野うさぎが野兎病と診断された。その後、Limburg州の自然保護区でアブ(horse fly)に刺されて感染したと考えられる若い男性が野兎病と診断された。これ以外に2011年にやはり国内で野兎病に感染したと考えられる人がいる。以前は野兎病は散発事例しか報告されておらず、それらは海外感染の事例であった。その他の特記すべき事例として、食鳥処理場への見学者のうち9人がカンピロバクターに空気感染したと考えられるアウトブレイク事例が報告されている。またキツネやイヌでの調査により、Limburg州南部のキツネにおいてエキノコックス(Echinococcus multilocularis)感染症が前年までと比べて大幅に広範囲に見られることがわかった。


家庭の周辺での人獣共通感染症

 毎年何千人もの人がペットから皮膚糸状菌症に感染している。またその他の人獣共通感染症の場合でも、ペットや庭に排泄する動物から感染することがある。本報告書は食品関連人獣共通感染症、特に野菜の取り扱いや喫食による感染のリスクも注視している。



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部