(食品安全情報2014年18号(2014/09/03)収載)
英国食品基準庁(UK FSA)は、小売店で販売されている生鮮鶏肉のカンピロバクター汚染に関して新たな調査を実施しており、既に終了した第1四半期分の結果を発表した。その結果、検査対象の鶏肉の59%がカンピロバクターに汚染されていた。また検体の4%では、包装の外側表面からカンピロバクターが検出された。
カンピロバクターは十分な加熱により死滅するが、カンピロバクター症は英国で最も一般的な食中毒で、患者は年間28万人と推定されている。これらの患者の主な感染源は汚染された家禽肉である。
過去に何度か実施されたカンピロバクター汚染率調査でも、生の家禽肉の約3分の2がカンピロバクターに汚染されていた。
2014年2月〜2015年2月の12カ月間の予定で現在実施中の調査では、丸ごとの冷蔵生鮮肉とその包装表面のカンピロバクター汚染率・菌数レベルが調べられている。本調査の対象は、英国の小売チェーン店舗および小規模な個人商店・食肉店で販売されている丸ごとの鶏肉計4,000検体で、そのうちの853検体の検査が第1四半期に実施され、今回その結果が発表された。
FSAは、この調査はカンピロバクター問題に取り組むための重要な活動で、小売店で販売される生の家禽肉のカンピロバクター汚染率のより正確な把握、および汚染低減のために生産・加工・小売の各業者が実施する対策の効果の評価に役立つとしている。
第1四半期の結果
結果は、「各検体の頸部(neck flap)の汚染菌数レベル(単位はcfu/g)」および「包装の外側表面の汚染」としてまとめられている。
第1四半期には、検査した家禽肉の59%がカンピロバクター陽性で、16%は1,000 cfu/gを超える高レベルの汚染であることが示された(表1)。
10 cfu/gが検出限界と考えられ、これを上回るレベルの汚染が検出された検体を陽性とした。<10 CFU/gの欄には非検出の結果も含まれている。
表1
包装外側表面の検査では検体の4%が陽性であり、1検体で最大レベルの汚染(>1000 CFU/swab)が検出された(表2)。
表2
鶏肉は、消費者が以下の助言に従い適正な調理手順を実践する限り安全である。