英国食品基準庁(UK FSA)からのカンピロバクター関連情報
http://www.food.gov.uk/


生の鶏肉を洗わないよう消費者に注意喚起
We are urging the public to stop washing raw chicken
16 June 2014
https://admin.food.gov.uk/news-updates/news/2014/jun/fsw

(食品安全情報2014年13号(2014/06/25)収載)


 英国食品基準庁(UK FSA)は、食中毒の原因となる可能性があるカンピロバクター感染のリスクを減らすため、国民に生の鶏肉を洗わないよう呼びかける注意喚起を発表した。洗浄により水滴が周囲に飛び散ることで、手指、調理台、衣服および調理器具などにカンピロバクターが拡散する可能性がある。国民の44%が調理前に常に鶏肉を洗っていることが最近の調査から明らかになったため、今回の注意喚起が発表された。

 カンピロバクター症は英国で発生する食中毒のうちで最も多く、患者数は年間28万人と推定されている。これらの患者の5人におよそ4人が汚染された家禽肉により発症している。

 今回の注意喚起(2014年の食品安全週間(6月16日〜22日)の開始日にあわせて発表)の一環として、FSAは料理番組の制作会社に、生の鶏肉を洗浄するシーンがテレビで放映されないよう文書で要請した。この文書には、すべての主要な食品小売業者も署名している。

 FSAによると、消費者は家禽肉を取り扱う際に、生の鶏肉に触った後は手指を洗う、肉を十分に加熱するなどの推奨事項を実践する傾向があるが、FSAが実施した調査から、生の鶏肉の洗浄も日常的に行われていることが示された。そこでFSAは、生の鶏肉の洗浄を中止し、交差汚染によるカンピロバクター感染のリスクに注意を払うよう国民に呼びかけている。

 FSAが委託した調査から、カンピロバクターに対する認識レベルは他の食中毒起因菌よりはるかに低いことが明らかになった。調査では、サルモネラや大腸菌について聞いたことがある国民の割合が90%を超えていたのに対し、カンピロバクターを知っている人の割合はわずか28%であった。さらに、カンピロバクターについて聞いたことがある人のうち、その主な感染源が家禽肉であることを知っていたのは31%のみであった。

 生の鶏肉の洗浄の理由として消費者が多く挙げたのは、汚れの除去(36%)、細菌の除去(36%)および習慣から(33%)であった。


(番組制作者への要請文書)
A plea from all the major supermarkets and the Food Standards Agency
June 2014
https://acss.food.gov.uk/sites/default/files/multimedia/pdfs/letters/broadcasters-letter.pdf

(調査内容)
Campylobacter awareness study carried out by Harris Interactive
April 2014
https://acss.food.gov.uk/sites/default/files/multimedia/pdfs/harris-omnibus-data-table-campylobacter-awareness.pdf




国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部