米国食品医薬品局(US FDA)からのカンピロバクター関連情報
http://www.fda.gov/


米国食品医薬品局およびその協力機関が食品由来疾患の原因食品特定に関するオンラインセミナーの録画をウェブサイトに掲載
FDA, Partners Post Webinar Recording on Progress toward Attribution of Foodborne Illness
May 14, 2014
http://wayback.archive-it.org/7993/20171114120244/https://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm397320.htm

(食品安全情報2014年11号(2014/05/28)収載)


 米国食品医薬品局(US FDA)、米国疾病予防管理センター(US CDC)および米国農務省食品安全検査局(USDA FSIS)は、食品由来疾患の原因食品特定に関して最近開催されたオンラインセミナー(webinar)について、その録画をそれぞれのウェブサイトに掲載した。

 このオンラインセミナー、「アウトブレイク患者は散発性患者を反映しているか(Are Outbreak Illnesses Representative of Sporadic Illnesses?)」は、2014年1月10日に食品安全分析に関する省庁間協力(IFSAC:Interagency Food Safety Analytics Collaboration)の主催により開催された。IFSACでは、上記3機関が協力して食品由来疾患の原因食品特定に関するプロジェクトに注力している。

 オンラインセミナーでの発表ではCDCの食品由来疾患アクティブサーベイランスネットワーク(FoodNet)が収集したデータの解析が中心に取り上げられ、アウトブレイク関連の患者と非関連の患者の特徴の比較が行われた。解析により、以下の結果が示された。

  • 病因物質がカンピロバクター、リステリア(Listeria monocytogenes)および大腸菌O157の場合、アウトブレイク患者と散発性患者は疾患の重篤度、性別および年齢分布に関して相互に類似していた。

  • サルモネラの場合は、アウトブレイク患者と散発性患者は疾患の重篤度および性別の点で類似していた。年齢分布については、アウトブレイク患者と散発性患者で、年長の小児および成人の患者が全体に占める割合が類似していた。しかし、アウトブレイク患者では、最年少グループ(0〜3歳)の患者が全体に占める割合が他の年齢グループに比べかなり低かった。

  • FoodNetのデータは米国全体の患者の一部のみを反映しているため、解析の対象となるアウトブレイク件数や患者数が限られている。たとえば、アウトブレイク関連のカンピロバクター症患者数は、他の3種類の病因物質のアウトブレイク関連患者数に比べ少なく、解析から導かれる結論を限定的なものにしている。
 これらの結果は、0〜3歳児のサルモネラアウトブレイク患者のデータを除き、散発性患者に関連した食品を推定する際にアウトブレイク患者のデータを利用することが妥当である可能性を示している。FDAおよびその協力機関は、食品由来疾患の原因食品特定への今回の知見の具体的適用を模索している。


(US CDC関連記事、IFSAC Webinarsの紹介)
食品安全分析に関する省庁間協力(IFSAC)による原因食品特定の推進
Improving Attribution Through Partnership
Interagency Food Safety Analytics Collaboration (IFSAC)
Page last updated: May 19, 2014
http://www.cdc.gov/foodborneburden/attribution/partnerships.html#webinars



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部