(食品安全情報2013年20号(2013/10/02)収載)
英国食品基準庁(UK FSA)は、カンピロバクター感染患者を減少させる新戦略の概要を発表した。この新戦略は、2013年9月11日に開催されたAberdeen(スコットランド)でのFSA理事会において議論された。
カンピロバクターは、英国の食中毒の最大の原因である。カンピロバクターにより、食中毒患者46万人、入院患者22,000人および死亡者110人が毎年発生すると推定されており、これらの患者のかなりの部分が家禽肉の喫食に関連している。2007〜2008年に実施された英国の市販鶏肉に関するFSAの調査では、小売レベルの鶏肉の65%がカンピロバクターに汚染されていた。
カンピロバクター患者の減少はFSAにとって食品安全上の最優先課題であるが、FSAが実施しているモニタリングの結果では、最も高レベルに汚染された鶏肉の全検体に占める割合は2008年以降変化していない。
理事会議用の文書(下記のFSAのウェブサイトから入手可能)には、FSAが予定している以下の戦略の実施案がまとめられている。
FSAのモニタリングにより、最も高レベルに汚染された鶏肉の全検体に占める割合は2008年以降変化していないことが示されている。このモニタリングでは、英国の食鳥処理場で最終加工段階(冷却後)の鶏肉が検体として採取され、皮膚表面に存在するカンピロバクターの菌数が測定された。測定結果は、100 cfu(colony forming units)/g未満、100〜1,000 cfu/g、および1,000 cfu/g超の3段階に分類された。
以下の表は、ベースラインとなる2008年の結果、モニタリング1年目の結果、および2015年の目標値を示している。現時点で得られている直近のモニタリングの結果も、ベースラインの値と比べ変化していない(表中に掲載なし)。最も高レベルに汚染された鶏肉の割合を2015年までに10%に低減させるという目標は、2010年にカンピロバクターに関する業界と政府の合同作業部会で合意され、公表された。モニタリングは2015年3月まで継続され、結果は毎年発表される予定である。
(FSA理事会議用文書)
FSA 13/09/04 - Revised strategic approach to Campylobacter reduction
https://acss.food.gov.uk/sites/default/files/multimedia/pdfs/board/board-papers-2013/fsa-130904.pdf