薬品部第一室 研究業績 1999.6-2000.5


綜説

品質の再評価−評価法
Aoyagi, N.(Aoyagi, Nobuo; 青柳伸男):
カレントテラピー、17,103-108 (1999)
後発医薬品の溶出試験による品質再評価に関して、その目的は先発品と後発品の生物学的同等性を保証することにあることを述べ、生物学的同等性の観点から品質評価の妥当性を紹介した。即ち、生理学的変動域のpHで溶出試験を実施し、先発品と後発品の溶出速度に差がなければ、バイオアベイラビリティにもほぼ差がないと考えられこと、品質再評価を効率的に行うには、溶出試験により同等性を確認するのが適していることを述べた。

Keywords: generic drug, dissolution test, reevaluation

溶出試験の変動要因と適格性保証
青柳伸男
日病薬誌、35,1589-1592 (1999)
溶出試験の結果は施設間で異なりやすいこと、その理由として制御しにくい変動要因が多いことを述べ、その中での脱気、振動は重要な要因となり得ることを紹介した。そして、溶出試験の適格性を保証するためには、メカニカルな検証、カリブレータを用いた検証、SOPの整備が大切であることを述べた。

Keywords: dissolution test, validation, calibrator

医薬品の分析法の真度及び精度を評価するための実験計画 1
鹿庭なほ子、尾島善一*1
Pharm Tech Japan、16(3),171-179 (2000)
 分析を実施する試験室の実態を踏まえた分析法バリデーションのあり方について、特に真度及び精度の評価方法について解説を行った。分析法の評価は、併行精度を基に行うのではなく、室内再現精度を基に行うべきであること、真度及び精度の正確な推定値を得るためには、十分な標本サイズで実験を行う必要があることを、説いた。また、分析法バリデーション用の試料の調製についても考察した。
Keywords: Analytical validation, Trueness, Intermediate precision
*1 東京理科大学理工学部

医薬品の分析法の真度及び精度を評価するための実験計画 2
鹿庭なほ子、尾島善一*1
Pharm Tech Japan、16(4),541-565 (2000)
 試験室の規模や実状に応じて、室内再現精度を評価する際に考慮が必要な変動要因について考察を行い、具体的な実験計画の例を示した。また、室内再現精度の計算方法、自由度の計算方法についても示した。
Keywords: Analytical validation, Experimental design, Degree of freedom
*1 東京理科大学理工学部

学会発表

in vitro溶出速度と生物学的同等性との関連−インドメタシン製剤
青柳伸男、森原元彦、石井文由、緒方宏泰
日本薬学会第120年会(2000.3)

分析法バリデーション−精度評価実験の実験計画に関する考察
鹿庭なほ子、尾島善
日本薬学会第120年会(2000.3)

日本薬局方重量偏差試験の問題点および改善−製剤外皮の影響と消費者危険
香取典子、鹿庭なほ子、青柳伸男、小嶋茂雄
日本薬学会第120年会(2000.3)

パドル法の撹拌強度に与える測定条件の影響
森原元彦、青柳伸男、香取典子、鹿庭なほ子、小嶋茂雄
日本薬学会第120年会(2000.3)

in vitro溶出速度と生物学的同等性との関連−アセトアミノフェン製剤
石井文由、緒方宏泰、青柳伸男、森原元彦、青木茂、毛利元昭、渡邊純男
日本薬学会第120年会(2000.3)


講演

Japanese Guidance on Bioavailability and Bioequivalence
Aoyagi,N.
Bio-international 99 conference (1999.9)

溶出試験とバイオアベイラビリティ
鹿庭なほ子
日本薬剤学会第24回製剤セミナー(1999.7)

放出制御製剤の設計と評価
青柳伸男
第15回DDS学会(1999.7)

品質再評価
鹿庭なほ子
第36回全国薬事指導協議会総会(1999.12)

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