本研究は、国立循環器病センターとの共同研究である。
メキシレチンはクラスIb型に分類される抗不整脈薬で、心室性不整脈に有効である。その主たる作用は過度なナトリウムチャンネル活動の抑制である。副作用の多くはこの抑制作用が異常に強く見られることに基づくものと予想され、徐脈やめまい、ふるえなどが知られている。すなわち、薬物の過度の血中濃度上昇はこのような副作用の原因となると考えられ、その場合は解毒代謝の低下が副作用発現に大きく寄与するものと考えられる。本研究では、解毒代謝酵素(CYP2D6、CYP1A2等)およびその転写制御因子、標的分子である心臓のナトリウムチャンネル(SCN5A等)等の遺伝子多型を解析している。なお、PK解析に関しては、国立循環器病センターで行っている。これら遺伝子多型と血中濃度等のPK指標・副作用等の臨床情報との相関を明らかとし、テーラーメイド投薬の実現を目指している。
平成14年度より、上室性不整脈および心室性不整脈の両者に有効であるクラスIc型のフレカイニド、ピルジカイニド等も対象に加え、解毒代謝に関与する代謝酵素(CYP2D6等)およびその転写制御因子、心臓のナトリウムチャンネル(SCN5A等)等の遺伝子の多型解析を開始している。なお、PK解析に関しては、国立循環器病センターで行っている。
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