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平成20年12月26日


関係事業者各位



厚生労働省 医薬食品局 審査管理課 化学物質安全対策室

経済産業省 製造産業局 化学物質管理課 化学物質安全室

環境省総合環境政策局環境保健部企画課化学物質審査室



              副生第一種特定化学物質を含有する化学物質の取扱いについて(お知らせ)



 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第117号。以下「化審法」という。)では、他の化学物質を製造する際に副生する 第一種特定化学物質 (※1)について、「利用可能な最良の技術(BAT:Best Available Technology/ Techniques)」の原則を適用し、第一種特定化学物質を「工業技術的・経済的に可能なレベル」まで低減すべきとの考え方に立ってきているところです。この考えを明確にするため、平成19年10月15日に「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の運用について」(平成16年3月25日、薬食発0325001号、平成16・03・19製局第3号、環保企発第040325001号。以下「運用通知」という。)を改正し、副生する第一種特定化学物質による環境汚染を通じた人の健康を損なうおそれ等がなく、その含有割合が工業技術的・経済的に可能なレベルまで低減していると認められるときは、当該副生成物を第一種特定化学物質として取り扱わないこととしました(運用通知3−2参照)。
 特に、第一種特定化学物質であるヘキサクロロベンゼン(以下「HCB」という。)の副生の実態等については、専門家からなる「副生する特定化学物質のBAT削減レベルに関する評価委員会」(以下「評価委員会」という。)を設置して検討するとともに、 平成19年10月15日付けの「お知らせ」 (※2)において、HCBを含有するテトラクロロ無水フタル酸(以下「TCPA」という。)、TCPAを原料とした顔料又は染料(以下「TCPA由来顔料」という。)及びピグメントブルー−15を塩素化して製造される顔料又は染料(以下「フタロシアニン系顔料」という。)に係るHCB含有割合を基準値として具体的に提示し、HCBの一層の削減を求めたところです。
 その後、改正運用通知の施行から1年が経過したことに伴い、TCPAの供給状況及び副生するHCBの低減に関する事業者の取組状況を確認したところ、当該基準値以下のTCPAが供給されている状況にあり、また、事業者によるBATの原則に基づく取組が進んでいることが認められました。このような状況を踏まえ、今後、HCBを含めた、副生する第一種特定化学物質及びそれらを微量含有する化学物質の取扱いについては、下記のとおりとします。


 副生する第一種特定化学物質については、改正運用通知3−2に基づく運用がなされているところであり、今後、以下のとおり取扱うこととします。

1.副生する第一種特定化学物質が微量含まれることが認められた場合は、速やかに下記の措置を講じてください。それらの措置が妥当な場合には、運用通知3−2に該当するものとみなします。

(1)副生する第一種特定化学物質が微量含まれる化学物質を、当該事実を認識した以降において製造又は輸入する場合は、事業者自らが、BATの原則に基づく当該第一種特定化学物質の化学物質中の含有量に係る上限値(以下、「自主管理上限値」という。)を設定し、当該第一種特定化学物質の含有量の低減方策等とあわせて、あらかじめ厚生労働省、経済産業省及び環境省(以下「3省」という。)に文書を提出し、その妥当性について説明してください。
(2)自主管理上限値等を設定し、3省に提出した事業者(上記(1)に従い自主管理上限値等を設定し、3省に提出した事業者を含む。)については、自らが製造又は輸入する化学物質中の第一種特定化学物質含有量が自主管理上限値を超えていないことを常に確認するとともに、引き続き含有量の低減に努めてください。このため、3省に提出した自主管理上限値等については、3省からの要請に応じてその管理状況について報告するとともに、状況の変化を踏まえて適宜見直されるべきものとします。

2.TCPA、TCPA由来顔料及びフタロシアニン系顔料については、副生するHCBが微量含まれることが一般的に認識されていることから、平成19年10月15日付け「お知らせ」に基づくこれまでの取組を踏まえた下記の措置を引き続き講じてください。

(1)TCPA、TCPA由来顔料及びフタロシアニン系顔料を新たに製造又は輸入する場合は、副生するHCBの含有量を確認して、あらかじめ3省に、設定する予定の自主管理上限値等を提出し、その妥当性について説明してください。
 ただし、TCPA、TCPA由来顔料(ピグメントエロー138を除く。)及びピグメントグリーン36(フタロシアニン系顔料の一種)に係る自主管理上限値については、平成19年10月15日付けの「お知らせ」で提示したHCB含有量の基準値(下記)を超える場合は、原則として、副生するHCBは運用通知3−2に該当しないとみなします。
 なお、TCPAの供給に支障が生じるような状況の変化があった場合や、その他のTCPA由来顔料及びフタロシアニン系顔料を新規化学物質として製造又は輸入する場合等については、個々の状況を考慮した上で、BATの原則に基づいて、下記の基準値以外の自主管理上限値を適用することもあり得るものとします。

   【副生するHCB含有量の基準値】
    @TCPA: 200ppm
    ATCPA由来顔料(ピグメントエロー138を除く): 10ppm
    Bピグメントグリーン36: 10ppm

(2)自主管理上限値等を設定し、3省に提出した事業者(上記(1)に従い自主管理上限値等を設定し、3省に提出した事業者を含む)は、自らが製造又は輸入する化学物質中のHCB含有量が自主管理上限値を超えていないことを常に確認し、ロットごとの各種データ(分析結果、製造・輸入年月日、製造又は輸入量及び用途)を四半期毎(1月、4月、7月及び10月)に3省に報告してください。
 ただし、TCPA、TCPA由来顔料(ピグメントエロー138を除く)、ピグメントグリーン36については、上記(1)のとおり、特別な事例を除き、副生するHCBの含有量が当該基準値を超えることはないことから、定期的な3省への報告は不要とします。


(※1) 第一種特定化学物質:製造、輸入及び使用が原則禁止されている化学物質
(※2) 「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の運用について」の改正に伴う副生ヘキサクロロベンゼンを含有する顔料等の取扱いについて(お知らせ)


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<問い合わせ先>
厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室
担当:田中、下位
〒100−8916 千代田区霞が関1−2−2
  TEL 03−5253−1111(内線:2424)
  FAX 03−3593−8913
経済産業省製造産業局化学物質管理課化学物質安全室
担当:羽田、宮地
〒100−8901 千代田区霞が関1−3−1
  TEL 03−3501−0605(直通)
  FAX 03−3501−2084



環境省総合環境政策局環境保健部企画課化学物質審査室
担当:木野、末次、高木
〒100−8975 千代田区霞が関1−2−2
  TEL 03−5521−8253(直通)
  FAX 03−3581−3370


 

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