Q18.ダイオキシンも内分泌かく乱化学物質なのでしょうか?内分泌かく乱化学物質はダイオキシンのように猛毒なのでしょうか?
Answer
  ダイオキシンも内分泌かく乱作用が疑われている物質の1つです。また、ダイオキシンはダイオキシン受容体(じゅようたい)注1)という特別な受容体を介して影響します。エストロゲン注2)様作用を有する物質は主にエストロゲン受容体を介して影響します。ダイオキシンの影響には、その直接的影響、例えば、動物実験で観察された強力な毒性、発がん性、催(さい)奇形性(きけいせい)のほかに、エストロゲン受容体の作用に影響を与える間接的な影響もあります。エストロゲン様作用を有する物質にも、エストロゲン様作用の他に、個々の物質に特有の毒性があることが多いのです。すなわち、いずれの内分泌かく乱化学物質にも毒性と内分泌かく乱性の二面性があります。ですから、内分泌かく乱作用の有無と毒性の有無や強弱との間には決まった法則はありません。

注1)受容体: 化学的伝達物質やホルモン等と結合してその情報を細胞内部に伝えるタンパク質。
注2)エストロゲン: 卵巣の卵胞で作られるホルモンの一種で、思春期発来、二次成長発達、生殖(せいしょく)機能(きのう)や骨代謝維持に不可欠な物質。

 

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