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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  〔研究方法〕
 米国立医学図書館の医学文献データベース(MEDLINE;PubMed)を用いて、検索式 (Sperm Count OR Spermatozoa OR Semen) AND (Insecticides OR Pesticides OR Chlorinated Hydrocarbons OR PCBs OR Bisphenol OR Phenol OR Phthalate OR Styrene OR Furan OR Organotin OR Diethylstilbestrol OR Ethinyl Estradiol) で得られた1639 件の文献のうちヒト集団を対象とした疫学研究145 件を選択した。さらに精子の質を扱った原著論文に限定し、その他の総説及び原著論文等を参考に必要な論文を加え、最終的に30 文献を抽出した。

〔結果〕
1.農薬・殺虫剤
 有機リン酸系農薬の暴露に関して、Padungtod ら(1999)は中国Anquin において精子染色体への影響を調べる目的で行った横断研究の中で、農薬工場に勤務する暴露群の男性と、同じ地域の織物工場に勤める非暴露群の男性では、精子濃度と運動率の中央値は暴露群で低く、染色体異常の出現するリスクは暴露群が1.51 倍高いと報告している。同じ集団についてPadungtod ら(2000)は、精液検査を行った暴露群と非暴露群の精液パラメータの数値を比較し、線形回帰分析の結果では精子濃度と運動率は暴露群において有意な低下を示し、エチルパラチオンとメタミドフォスの暴露が精液の質に中程度の影響を与える可能性があることを報告した。メキシコ
の農村地域の農業従事者を対象とした断面研究(Recio、2001)では、有機リン系殺虫剤の暴露が精子の染色体異常に関連してターナー症候群などの遺伝的疾患のリスクを増加させる可能性を指摘した。また同じ研究グループによる農業従事者を対象とした断面研究(Sanchez-Pena、2004)では、有機リン系農薬の暴露が精子核のDNA 断片化率を高めることから妊孕能への影響を示唆している。有機リン系農薬の暴露に関しては日本からの報告(Kamijima、2004)があり、農薬散布従事者の暴露群では非暴露群に比べて、通常の精液所見に差は認められなかったが、農薬散布時期である夏に運動性の低下した精子の割合が有意に増加することを示した。

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