PRTR制度

 

 PRTR制度(Pollutant Release and Transfer Register)とは、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質について、事業所から環境(大気、水、土壌)への排出量及び廃棄物に含まれての事業所外への移動量を、事業者が自ら把握し国に対して届け出るとともに、国は届出データや推計に基づき、排出量・移動量を推計し、公表する制度です。PRTR制度は、平成13年4月から実施されています。
 PRTR制度には、次のような多面的な意義が期待されています。
(1)事業者による自主的な化学物質の管理の改善の促進
(2)行政による化学物質対策の優先度決定の際の判断材料
(3)国民への情報提供を通じた、化学物質の排出状況・管理状況への理解の増進

- PRTR制度の仕組み -

PRTR制度は、大きく分けて3つの部分に分かれています。

事業者による化学物質の排出量等の把握と届出

  • 事業者は、個別事業所ごとに化学物質の環境への排出量・移動量を把握し、都道府県経由で国(事業所管大臣)に届け出なければならない。
    ※ 営業秘密に係る部分は、直接事業所管大臣へ届け出ることとになっている。
国における届出事項の受理・集計・公表
  • 事業所管大臣は、届け出られた情報について、環境大臣及び経済産業大臣へ通知する。
  • 経済産業省及び環境省は、共同で、届け出られた情報を電子ファイル化し、物質ごとに、業種別、地域別等に集計・公表するとともに、事業所管大臣及び都道府県に通知する。
    ※ 事業所管大臣及び都道府県は、通知された事業所ごとの情報をもとに、事業者や地域のニーズに応じ集計・公表することができる。
  • 経済産業省及び環境省は、共同で、本法の届出義務対象外の排出源(家庭、農地、自動車等)からの排出量を推計して集計し、併せて公表する。
データの開示と利用
  • 国(経済産業大臣、環境大臣及び事業所管大臣)は、国民からの請求があった場合は、個別事業所の届出データを開示する。
  • 国はPRTRの集計結果等を踏まえて環境モニタリング調査及び人の健康等への影響に関する調査を実施する。

PRTR制度の体系
PRTR制度の体系
クリックすると拡大されます