薬毒物迅速検査法
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有機リン系殺虫剤
有機リン系殺虫剤は、ドイツのバイエル社によって1940年前後に開発された。元来、神経ガスの研究から発展したものであって、パラチオンなどの初期の製品は、殺虫力が強力であるのと同時に、人に対しての毒性が極めて高いものであった。その後、各国で低毒性化の研究開発が行われ、選択性の高い、低毒性の化合物が登場した。有機リン系殺虫剤は、典型的な酵素毒であり、体内のコリンエステラーゼとの間に共有結合を作り、その活性を特異的かつ不可逆的に阻害し、体内にアセチルコリンの蓄積をもたらす。その結果として、コリン作動性の症状が現れる。有機リンの定性分析には、コリンエステラーゼ活性試験、DTNB法、Hestrin法があり、さらには薄層クロマトグラフィーやガスクロマトグラフィーを用いていた。クロマトグラフィーを行うには、検査試料から有機リンを精製する必要があり、救急医療の現場で行うには手間を要するため、現状では、患者の症状とコリンエステラーゼ活性値から有機リン中毒を十分に推定できている。しかし、有機リン系殺虫剤と同様にコリンエステラーゼの活性を阻害するものにカーバメート系殺虫剤がある。カーバメート系殺虫剤の治療には、有機リン系殺虫剤の拮抗薬であるPAMは効果的でないため、いずれの農薬による中毒であるかが判明すれば、PAMの使用に参考データが提示できる。

迅速検査法

同定・定量法
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