世界保健機関(WHO)からのノロウイルス関連情報
http://www.who.int/en/


国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)四半期報告(2018年1〜3月)
INFOSAN Quarterly Summary (January-March 2018)
http://www.who.int/foodsafety/areas_work/infosan/INFOSAN-QS/en/

(食品安全情報2018年12号(2018/06/06)収載)


食品安全事例

 国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)事務局は、2018年第1四半期に延べ106カ国が関連した食品安全事例16件に対応した。生物学的ハザード関連が12件で、内訳はリステリア(Listeria monocytogenes)6件、サルモネラ2件、およびCronobacter sakazakii、A型肝炎ウイルス、ノロウイルス、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)各1件であった。その他は化学的ハザード(ヒ素)、非表示のアレルゲン(ピーナツ)、物理的ハザード(齧歯類による汚染)および詳細不明のハザードが1件ずつであった。これら16件に関連した食品カテゴリーは、多い順に、乳・乳製品(4件)、食肉・食肉製品(3)、スナック・デザート(3)、果物・果物製品(2)、魚・水産食品(1)、ナッツ・油糧種子(1)、砂糖・菓子(1)および不明(1)であった。


地理的側面

 上記の16件の事例には、世界保健機関(WHO)のすべての地域の加盟国が関連していた。地域別の関連加盟国数は、多い順に、アフリカ地域(39カ国)、欧州地域(24)、東地中海地域(19)、西太平洋地域(12)、米州地域(8)および東南アジア地域(4)であった。INFOSAN事務局は、2017年に始まった2件の大規模事例について2018年も引き続き対応した。1件はフランスで発生したサルモネラ症アウトブレイクで、国産の乳児用調製乳に関連し、この製品は80カ国以上に輸出されていた。もう1件は南アフリカ共和国で発生したリステリア症アウトブレイクで、国産のそのまま喫食可能な(ready-to-eat)食肉製品に関連し、この製品は15カ国に輸出されていた。これら2件の大規模事例の発生時に、INFOSAN事務局は、情報把握に関して各当事国のINFOSAN緊急連絡窓口の迅速な行動に依存した。これによってINFOSAN事務局は、回収対象製品の流通を止めるために輸入国のINFOSAN緊急連絡窓口に当該製品の詳細を迅速に通知でき、各加盟国は新規患者の発生を防ぐための適切なリスク管理対策を実施できた。


ニュースおよびその他の活動

 このような緊急時対応活動に加え、INFOSAN事務局は、カナダのINFOSAN担当者と協力し、オンライン技術セミナーシリーズ「Technical Webinar Series」(2018年2月7日〜3月28日、全8回、フランス語)を主催した。このセミナーでは、カナダの状況を中心に、食品由来アウトブレイク調査、食品安全調査、健康リスク評価、食品回収システム、腸内感染アウトブレイク用ツールキット、食品由来疾患サーベイランスなどのテーマが取り上げられた。シリーズ全体で延べ23カ国のINFOSAN担当者69人が少なくとも1回はセミナーに参加登録した。このセミナーシリーズはINFOSAN担当者に対し、各担当者にとって興味のある食品安全・食品由来疾患関連の様々な技術的問題について、情報交換と教訓の共有の機会を提供した。



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部