Enterobacter sakazakii は新生児にまれであるが、高い致死率の感染症を起こす病原体である。粉末の牛乳をベースにした乳児用調製粉乳は、未熟児や免疫不全の乳幼児の間でE. sakazakii によるアウトブレイクの原因となっている。現在、FDA の微生物検査マニュアルに掲載されている検査法は、複雑で時間がかかる。この研究では、乳児用調製粉乳中のE. sakazakii を特異的に検出する、fluorogenic 5' nuclease assay を適用したTaqMan法を用いた検査法を開発した。プライマーとプローブのセットはE. sakazakii のpartial macromolecular synthesis operon: the rpsU gene 3' end and the primase (dnaG) gene 5' end.を用いてデザインした。68 株のEnterobacter 及び55 株のEnterobacter 以外の株を用いて検査の特異性を評価した。この新しく開発されたアッセイでは、純粋培養中および溶解したミルク中では100 CFU/ ml まで、増菌なしに50 cycles の PCR で検出できた。また、このアッセイは検査したすべての他のEnterobacter 及び Enterobacter 以外の株とE. sakazakii とを区別するのに十分な特異性を示した。この新たに開発されたReal-time PCR assay により、 従来5 日要した検査日数を短縮することができ、選択培地、診断培地および生化学的確認検査の必要がなくなり、業界や規制当局の迅速スクリーニング法として用いることができるとしている。
[The Journal of Food Protection のご厚意により、要約翻訳を掲載します。]