European Food Safety Authority(ヨーロッパ食品安全局)からのEnterobacter sakazakii 情報
http://www.efsa.eu.int/


  • 2004 年9月9日にBIOHAZパネルに採択された意見
    Opinion adopted by the BIOHAZ Panel on 9th September 2004 related to the microbiological risks in infant formulae and follow-on formulae.
    (食品安全情報2004年24号(2004/11/24)収載)

    調合粉乳(infant formula)中のEnterobacter sakazakii E. sakazakii )またはSalmonella に乳児が感染すると、重大な後遺症が残ったり死亡に至ることがあり、大きな問題となっている。E. sakazakii は4〜6 週までのすべての週齢の新生児に疾患を引き起こすが、早産、低体重児あるいは免疫障害のある場合はよりリスクが大きい。ヒトのE.sakazakii 感染について、菌量反応(Dose/Response)関係に関する実験的または疫学的研究はない。他の微生物と同様、菌の性状および物理的な状態、宿主の状態並びに食品の組成により、菌量反応(Dose/Response)関係は異なる可能性がある。E. sakazakii が広範囲に分布していることから考えて、調合粉乳およびフォローアップミルク中の少量の菌を健常な乳児・小児が飲んだ場合は疾患を起こさないことが示唆されている。Salmonella およびE. sakazakii は低温殺菌により死滅するが、取り扱い中や充填中に再汚染されることがある。製造過程でのE. sakazakii 制御手段はサルモネラのそれより難しく、微生物学的性状が優れた原材料の使用、製造環境におけるエンテロバクター科菌の濃度を低下させること、最終産物の再汚染回避などがある。製造環境中のE. sakazakii は、人間の移動の管理、wet とdry 加工過程の分離、ドライエリアにおける結露と水分侵入の回避など厳重な衛生対策によって最小限にすることができる。衛生対策の効果をみるためには環境微生物検査が必要であり、エンテロバクター科菌検査が最も有効である。Salmonella およびE. sakazakii は、5℃以上で十分な時間保管された場合、調製後の製品中で増殖が可能で、さらに室温では急速に増殖する。再汚染や調整後の増殖を避けるには、調製時、保存時および授乳時のGood Hygienic Practices が不可欠である。ハイリスクの乳児(早産、低体重児、免疫障害児)のSalmonella およびE. sakazakii によるリスクを最小限にするための最も効果的な防止措置は商業的無菌液体乳の使用であろう。非常に低いレベルのSalmonella およびE. sakazakii をねらった調合粉乳およびフォローアップミルク中のPerformance Objective(PO)(例えば1,10 または100kg 中不検出)の導入およびPO の遵守を検証するため環境および製品中のエンテロバクター科菌の検査が推奨される。また家庭や病院での調製粉乳の調合・取り扱い・保存および使用に関するガイドラインの作成が推奨される、としている。
    http://www.efsa.eu.int/science/biohaz/biohaz_opinions/691_en.html

  • EFSA生物学的危害原因物質に関する科学パネルが家庭および病院で調製粉乳中の微生物リスクをどのように避けるかについてアドバイスを公表
    EFSA Panel advises on how to avoid microbiological risks in infant formulae - at home and in hospital
    18 November 2004
    (食品安全情報2004年24号(2004/11/24)収載)

    EFSA の生物学的危害原因物質に関する科学パネル(BIOHAZ Panel)が11 月18 日調合粉乳およびフォローアップミルク中の微生物学的リスクに関する意見を公表した。パネルはSalmonella およびE. sakazakii は重大な懸念が持たれる微生物と結論づけた。ハイリスクな乳児における暴露を最小限にするため、専門家は母乳代替品を使用する場合は商業的無菌液体乳を選択することが望ましいとアドバイスした。調整後摂取するまでの保管時間における増殖の可能性があるが、調製粉乳の汚染が重要なリククファクターと考えられる。高いレベルの製造環境の基準の遵守および適切な衛生管理が極めて重要である。そのためBIOHAZ Panel は家庭や病院での調製粉乳の調合・取り扱い・保存および使用に関するガイドラインの作成を推奨した。家庭で調製粉乳を使用する場合、同パネルは次のようなことをアドバイスした。

  • Good hygienic measures(例えば手の洗浄、台所と器具の清潔を確保する)が汚染を防ぐためには必須である
  • 各食事のたびに調製粉乳を用意する
  • 調製粉乳を溶かす時には滅菌した容器を使用する(清潔なほ乳瓶の使用、理想的には沸騰水中で煮沸消毒する)
  • 常に70度以上のお湯で溶かすかまたは沸騰させた後さました水を使用し、再汚染を防ぐ
  • 溶かしたミルクは使用する温度まで迅速に冷却する
  • 飲ました後に残った調整後のミルクは廃棄する
    http://www.efsa.eu.int/press_room/press_release/696/pr_biohaz03_microrisk_en1.pdf
    http://www.efsa.eu.int/press_room/press_release/696_en.html