世界保健機関(WHO)からの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)関連情報
http://www.who.int/en/


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連する食品安全と栄養についてのQ&A
Q&A: Food Safety and Nutrition related to COVID-19
14 August 2020
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/question-and-answers-hub/q-a-detail/food-safety-and-nutrition

(食品安全情報2020年18号(2020/09/02)収載)


 世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連する食品安全と栄養についてQ&Aを発表した。質問および回答を以下に紹介する。


果物や野菜などの生鮮食品の喫食を介して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に罹患する可能性はあるか?

 果物や野菜などの食品を介してヒトがCOVID-19に罹患する可能性があることを示すエビデンスは現時点では存在しない。生鮮果物・野菜は健康的な食生活に重要な役割を果たしているため積極的に喫食すべきである(詳細情報は以下PDF参照)。
[COVID-19 and food safety: guidance for food businesses]
https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/331705/WHO-2019-nCoV-Food_Safety-2020.1-eng.pdf


COVID-19流行下では果物や野菜をどのように洗うべきか?

 果物や野菜は通常と同様の方法で洗う。取り扱う前に石鹸と水で手を洗い、続いて果物や野菜をきれいな水でよく洗う。生のまま喫食する場合は特に念入りに洗うこと。


COVID-19の原因ウイルス(SARS-CoV-2)は食品包装の表面で生存可能か?

 コロナウイルスが増殖・生存するためには生きている動物またはヒトを宿主として必要とし、食品包装の表面では増殖できない。食品の包装材を消毒する必要はないが、食品包装の取り扱い後および食品の喫食前には適切に手を洗うべきである。


SARS-CoV-2は動物由来製品などの加熱済み食品の喫食を介して伝播する可能性があるか?

 食品を介してヒトがCOVID-19に罹患する可能性があることを示すエビデンスは現時点では存在せず、SARS-CoV-2は食品中に存在するその他の既知のウイルスや細菌と同様の温度で死滅する。食肉・家禽肉・卵などの食品は70°C以上で十分に加熱すること。また、加熱済み食品との交差汚染を避けるため、生の動物由来製品は調理前に慎重に取り扱うべきである(WHOの以下のWebページ参照)。
[Five keys to safer food manual]
https://www.who.int/foodsafety/publications/5keysmanual/en/


食料品店やその他の食品小売施設に買い物に出かけることは安全か?

 以下のような予防対策を実施すれば、食料品店や市場などの食品小売施設に買い物に出かけても一般的に安全である。

・入店前に消毒液で手指を消毒する。
・咳やくしゃみをする際には、肘の内側やティッシュペーパーで口や鼻を覆う。
・他の買い物客との間に1メートル以上の距離をとる。それが難しい時はマスクを着用する(現在、多くの店がマスク着用を義務付けている)。
・帰宅時および購入品の取り扱いや保管作業の後は十分に手を洗う。

 現時点では、食品や食品包装を介してCOVID-19に罹患したことが確認された例はない。

 マスクに関する詳細情報は以下のWebページ参照。
[Coronavirus disease (COVID-19) advice for the public: When and how to use masks]
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/advice-for-public/when-and-how-to-use-masks

 生きた動物や動物製品等を取り扱う伝統的な食品市場における新興病原体の伝播リスク低減策に関するWHOの助言は以下のWebページ参照。
[Reducing animal-human transmission of emerging pathogens: WHO recommendations to reduce risk of transmission of emerging pathogens from animals to humans in live animal markets or animal product markets]
https://www.who.int/health-topics/coronavirus/who-recommendations-to-reduce-risk-of-transmission-of-emerging-pathogens-from-animals-to-humans-in-live-animal-markets


食料品を配達してもらうことは安全か?

 製品の提供者が個人の適正な衛生慣行および食品衛生規範を遵守している場合は食料品を配達してもらっても安全である。配達製品の受け取り後は適切に手を洗うこと。


家庭内で物の表面を消毒するために最適な消毒剤は何か?

 日常的な家庭用洗剤および消毒剤製品は一般家庭内の物の表面からウイルスを効果的に除去すると考えられる。COVID-19の疑いまたは確定患者のいる家庭を清掃・消毒する場合は、抗ウイルス効果のある次亜塩素酸ナトリウム(0.05%)やエタノール製品(70%以上)などを使用すべきである。


免疫機能の維持のために喫食すべき食品は何か?

 免疫機能の維持には多くの栄養素が必要である。健康的でバランスの良い食習慣を維持するためには、全粒穀物類、マメ類、野菜類、果物類、種実類、動物由来食品などの多様な食品を喫食することが望ましく、COVID-19への罹患を防ぐと考えられる単一の食品は存在しない(詳細情報は以下のWebページ参照)。
[Healthy diet fact sheet]
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/healthy-diet


微量栄養素(ビタミン、ミネラル)のサプリメントの使用で健康な人のCOVID-19予防やCOVID-19患者の治療は可能か?

 現時点では、COVID-19の予防や治療のための微量栄養素の補給に関する指針はない。微量栄養素は正常な免疫機能および健康・栄養の増進に欠かせないものであるため、野菜、果物、動物由来食品などの多様な食品から栄養学的にバランス良く摂取することが望ましい。


ロックダウンにより日光を浴びることができない場合、ビタミンDサプリメントが必要か?

 ビタミンDは、日光への曝露により皮膚内で生成されるか、天然のビタミンD源(サケ、マグロやサバのように多くの脂を含む魚、魚肝油、牛レバー、チーズ、卵黄など)、ビタミンD強化食品、ビタミンD含有サプリメントなどを介して体内に吸収される。ビタミンDの体内存在量が極端に低い場合、ビタミンDが豊富に含まれる食品(ビタミンD強化食品も含む)を喫食しない場合、および日光への曝露が制限されている場合は、ビタミンDサプリメント(推奨摂取量は年齢に応じて200〜600 IU)を摂取するか、国のガイドラインを参考にする(ビタミンおよびミネラルの必要量に関するWHOの指針については以下のWebページを参照)。
[Vitamin and mineral requirements in human nutrition]
https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/42716/9241546123.pdf


COVID-19の予防や治療に役立つ可能性があるハーブティーやハーブサプリメントはあるか?

 現時点では、ハーブティーやハーブサプリメントの使用がCOVID-19の予防や治療に役立つことを示すエビデンスは存在しない。


プロバイオティクスはCOVID-19予防に役立つか?

 プロバイオティクスは、通常は健康増進のために食品に添加されるかサプリメントとして使用される生きた微生物である。現時点ではプロバイオティクスがCOVID-19の予防や治療に役立つことを示すエビデンスは存在しない。


ショウガの喫食はCOVID-19の予防に役立つか?

 ショウガはある種の抗微生物特性および抗炎症特性を示す可能性があるが、現時点では、ショウガの喫食がCOVID-19を予防することを示すエビデンスは存在しない。


ニンニクの喫食はCOVID-19の予防に役立つか?

 ニンニクはある種の抗微生物特性を示す可能性があるが、現時点ではニンニクの喫食がCOVID-19を予防することを示すエビデンスは存在しない。


スープなどの料理へのトウガラシの使用はCOVID-19の予防や治療に役立つか?

 現時点では、料理へのトウガラシの使用がCOVID-19の予防や治療に役立つことを示すエビデンスは存在しない。



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部