(食品安全情報2020年13号(2020/06/24)収載)
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行により、あらゆる人々の生活様式がここ数カ月間に劇的に変化し、食品の形や大きさに関係なく、その由来、調理、共有および喫食の方法に対してこれまでになく厳密な注意が払われるようになった。
欧州食品安全機関(EFSA)によると、食品がCOVID-19の感染源であることを示すエビデンスは現在のところ存在せず、食品の喫食を介してCOVID-19が伝播する可能性は非常に低い。したがって、食品からCOVID-19に感染する可能性は極めて低い。
スコットランド食品基準庁(FSS)は、COVID-19の流行によって生じた食品供給チェーンの変化への対応に役立つようにQ&Aを作成した(以下Webページ参照)。
CORONAVIRUS QUESTIONS AND ANSWERS (Answers to some commonly asked questions in relation to Coronavirus (COVID-19))
https://www.foodstandards.gov.scot/consumers/food-safety/coronavirus/questions-and-answers-covid-19
食品安全について最も懸念される問題の1つは、食中毒のリスクである。自分を守るためにできることおよび注意することは多数あるが、特に調理をする頻度が通常より増えた人がいる現在、食中毒が起こる原因を正確に理解することが重要になっている。食中毒はその種類により重篤化することもあり、特に高齢者、小児、免疫機能が低下している人はその可能性が高い。食中毒によっては入院や死に至る場合もある。
COVID-19に類似したウイルスに関する知見にもとづくと、食品を十分に加熱することおよび調理器具表面を適切な方法で消毒することでCOVID-19の原因ウイルスは不活化すると考えられる。
下記の助言を自身で記憶するだけでなく、周囲の人、特に食中毒が重症化するリスクの高い人々にも伝えることが推奨される。