ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)からの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)関連情報
http://www.bfr.bund.de/


コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック:リスク認識は高齢者層でより高い
Coronavirus pandemic: risk awareness is higher in old age
09.04.2020
https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2020/10/coronavirus_pandemic__risk_awareness_is_higher_in_old_age-244884.html

(食品安全情報2020年9号(2020/04/28)収載)


 「Bfr-Corona-Monitor」の第3回アンケート調査(2020年4月7日)の結果は、各年齢層がコロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックに対しどのような認識を持っているかを示している。

 モニター参加者のうち、コロナウイルス感染症による健康への影響が「大きい」と判断している割合は40%であった。60歳以上の年齢層ではこの割合が54%であった。これは、ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)が毎週実施しているモニター調査「BfR-Corona-Monitor」の第3回目の結果である。BfRのHensel所長によると、リスクに対する認識は、年齢によるリスクが高い高齢者層(60歳以上の年齢層)で他の年齢層(40〜59歳の年齢層および14〜39歳の年齢層)より顕著に高く、また、すべての年齢層でモニター参加者の大多数が新型コロナウイルスに関する現状について十分に情報を得ていると感じている。

「BfR-Corona-Monitor」結果(2020年4月7日)
https://www.bfr.bund.de/cm/349/200407-bfr-corona-monitor-en.pdf

 可能性が高いと考えている感染経路としては、引き続き回答者の大多数(76%)が「他者との接近」を挙げた(図1)。「ドアノブへの接触」の可能性を挙げた回答者は、先週から15%低下して48%となった(図2)。40歳未満の回答者では、紙幣・硬貨、食品、ペットおよび食器類を介して感染する可能性を挙げた割合が60歳以上の回答者より高かった。
https://www.bfr.bund.de/en/can_the_new_type_of_coronavirus_be_transmitted_via_food_and_objects_-244090.html


 図1:モニター参加者が認識している感染経路の可能性(2020年4月7日のBfR Corona-Monitor)
 「質問:あなたは以下の各項目が新型コロナウイルスへの感染経路となる可能性はどれくらいであると推定しますか?(選択肢は「1.非常に低い」から「5.非常に高い」までの5段階)」


 図2:モニター参加者が認識している感染経路の可能性(2020年4月7日のBfR Corona-Monitor)
 「質問:あなたは以下の各項目が新型コロナウイルスへの感染経路となる可能性はどれくらいであると推定しますか?(選択肢は「1.非常に低い」から「5.非常に高い」までの5段階)」に対する回答のうち「4.高い」と「5.非常に高い」の合計が占める割合(3月24日〜4月7日の結果の経時変化)


 大多数の商店の休業、特定地域での外出禁止令などの日常生活の制限については、「適切である」とする回答者の割合は、先週より低下した。一方、「隔離措置」および「行事の中止」を許容する回答者の割合は依然として高かった。

 60歳以上の年齢層では、コロナウイルスに関する情報を主にテレビから得ており、情報源としてインターネットを挙げた割合は43%のみであった。一方、40歳未満の年齢層では、テレビとインターネットの活用頻度は同等であった。しかし、すべての年齢層において、回答者の大多数が新型コロナウイルスに関する現状について十分に情報を得ていると感じており、情報源の違いは情報の認識レベルに大きな影響を及ぼしてはいないようであった。 

 参加者の22%がコロナウイルス感染を防ぐための対策を現時点では何も行っていないと回答し、この割合は先週と同じであった。一方、「マスクや手袋などの保護衣を身に着けること」を挙げた割合はすべての年齢層でさらに増加し、保護衣を身に着けることで感染を防ぎたいと回答した参加者の割合は先週より7%上昇して23%となった。モニター参加者が最も一般的に実施している対策は、引き続き「人込みを避けること」(52%)であった。 

 BfRは動的な状況変化を踏まえ、コロナウイルスに関するFAQの更新を継続している。

 (下記Webページ参照、食品安全情報(微生物)No.7 / 2020(2020.04.01)BfR、No.4 / 2020(2020.02.19)BfR記事参照)

https://www.bfr.bund.de/en/can_the_new_type_of_coronavirus_be_transmitted_via_food_and_objects_-244090.html

「BfR-Corona-Monitor」とは
 「BfR-Corona-Monitor」は、新型コロナウイルスのリスクに関するドイツ国民の認識について今後も定期的に行われる予定の標本調査である。無作為に選出された住民約500人に対し、感染リスクに関する認識、および自身が特に気を付けている予防策について、毎週火曜日に電話で聞き取りが行われる。第1回の調査は2020年3月24日に実施され、今回は3回目である。調査データの集計結果はBfRのホームページで定期的に公開される。調査方法およびサンプリングに関する詳細情報は以下のWebページから入手可能である。
https://www.bfr.bund.de/en/bfr_corona_monitor-244792.html



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部