1 3-キヌクリジニルベンジラート
3-キヌクリジニルベンジラート:
1−1 物理的化学的性質
1−2 毒性および症状
【ご利用にあたっての注意】
国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部無能力化剤 (Incapacitants、 Incapacitating Agent)
無能力化剤は、身体的もしくは精神的作用により人を一時的に活動不能にする。催涙剤などの暴動鎮圧剤(riot control agents)は、作用が通常数分〜十数分程度しか持続しないが、無能力化剤の影響は使用をやめても数時間から数日続く。
無能力化剤としてこれまでにさまざまな物質が検討されてきたが、無能力化剤としての条件を満たすものはほとんどないとされる。いくつかの関係資料に3-キヌクリジニルベンジラート(BZ)や、フェンタニル誘導体、カンナビノイド系化合物などの名前があげられているが、使用可能性については不明である。2002年10月のモスクワの劇場占拠事件においては、ロシア特殊部隊が突入した際に使用された特殊ガスの主成分はフェンタニル誘導体であると、ロシア政府当局が発表した。この事件では特殊ガスにより人質ら100名以上が死亡した。
無能力化剤については情報が非常に少ない。
BZ
3-Quinuclidinyl benzilate
1-Azabicyclo(2.2.2)octan-3-ol, benzylate (ester)
CAS 番号:6581-06-2
分子量:373.9
化学式:C21H23NO3
性状: 白色の固体
融点: 167.5℃
沸点: 412℃
蒸気密度:11.6(空気=1)
蒸気圧:ほとんどない
揮発性:ほとんどない
作用を及ぼす速さ:遅れる(暴露条件により1〜4時間)。
抗コリン作動性物質である。永久的な有害作用は報告されていない。
末梢神経作用:
瞳孔散大、かすみ眼、口や皮膚の渇き、最初は心拍が速くなり、その後正常もしくは遅くなる。
中枢神経作用:
幻覚、昏睡、物忘れ、混乱などさまざまな意識状態、運動失調症、失見当識