食安輸発第0702001号
平成16年7月2日

           

   各検疫所長 殿

                    医薬食品局食品安全部監視安全課
                         輸入食品安全対策室長
                         (公 印 省 略)

フィリピン産生鮮魚介類等に係るコレラ菌のモニタリング検査の強化について

  平成16年度輸入食品等モニタリング検査の実施については、平成16年3月31日付け食安輸発第0331002号により通知しているところですが、今般、フィリピンにおいてコレラが集団発生したとの情報を入手したところです。

 ついては、フィリピン産生鮮魚介類等について、コレラ菌に汚染されているおそれがあるか否かを判断する目的で、下記のとおりモニタリング検査の強化を行うこととしたので、検査の実施方よろしくお願いします。

 なお、検疫所における輸入食品に係るコレラ菌検査については、引き続き平成13年4月23日付け健感発第23号・食監発第69号・食検発第68号「コレラ汚染地域より輸入される生鮮魚介類の食品衛生法による取扱いについて」及び平成13年4月25日付け食発第142号「コレラ汚染地域より輸入される生鮮魚介類の取扱いについて」に基づき対応されるようお願いします。

 

1.検査強化実施期間:平成16年7月3日から同年9月30日まで

2.対象食品、検査項目及びモニタリング検査率

  フィリピン産の魚介類又は魚介類加工品について、輸入届出毎に以下に掲げる対象品目及び検査率による  コレラ菌のモニタリング検査の強化を行う。

対象品目

検査率

「食品、添加物等の規格基準」(昭和34年12月厚生省令告示第3

70号)に定める生食用鮮魚介類及び冷凍食品(生食用冷凍鮮魚介類

に限る。)

100%

エビ(切り身・むき身を含む。生食用・加熱加工用、生鮮・冷凍含む。)

 50%

上記以外の未加工品(生鮮・冷凍含む。)

 10%

3.検査方法

  平成14年10月21日付け食監発第1021005号「魚介類等の食品からのコレラ菌の検出方法につ  いて」の別添に定める検査法によること。

  なお、その際、以下の点に留意すること。

(1)同検査法の「1の(2)一次増菌培養」中の「アルカリ性ペプトン水(pH8.60%NaCl)」については、  「アルカリ性ペプトン水(pH8.61%NaCl)」に改めること。なお、その際、引き続き必要に応じ「アルカ  リ性ペプトン水(pH9.21%NaCl)」の組成を用いることができること。 
                → 検査法のプロトコール

(2)同検査法の「1の(3)二次増菌」中の「アルカリ性ペプトン水(pH8.60%NaCl)」については、引き  続きこの組成のものを使用すること。

(3)同検査法のPCRの条件のうち、「1 条件1の(2)反応溶液」及び「2条件2の(2)反応溶液」  については、PCR反応が確実に行われていることの確認を行うため、その反応溶液に次の@からBを加  えて反応溶液とすることが望ましいこと。

   @0.5μL  pBR1K Primer-up (5'-GTCACCCTGGATGCTGTAGG-3') 
   A0.5μL  pBR1K Primer-down(5'-GGCTGGTAAGAGCCGCGAG-3')
   B0.33μL pBR322(1ng/μL)

   なお、上記@からBを反応溶液に加える場合には、反応溶液合計で30μLとなるよう蒸留水の量を調整  すること(条件1の場合は蒸留水19.12μL、条件2の場合は蒸留水14.52μLとなる。)。

4.検体採取方法

  検体の採取は、食品衛生法第28条に基づき、平成16年3月31日付け食安輸発第0331002号の 別添1「輸入食品等に係るモニタリング検査実施要領」別紙2の検査項目「微生物」に準じて収去すること 。

  また、ふき取り法を用いる場合にあっては、平成14年10月21日付け食監発第1021005号「魚 介類等の食品からのコレラ菌の検出方法について」の別添に定める検査法中の「ふき取り法によるコレラ菌 検出方法」によること(振り出し法も同様。)。

5.措置

  検査の結果、コレラ菌が検出された場合にあっては、輸入者に対して、当該輸入ロットの輸入もしくは流 通等の自粛及び加熱加工用への転用を指導するとともに、速やかに検疫所業務管理室を通じて監視安全課水 産安全係に連絡すること。

6.その他の留意事項

(1)食品等輸入届出済証の交付について

   検査を行ったいずれの食品についても検査結果判明前に食品等輸入届出済証を輸入者に交付して差し支   えないこととするが、以下の点に留意すること。

  @ 食中毒発生の未然防止に資するため、当該検査結果が判明するまで、生食用として消費者等の小売り    段階への販売を行わないよう輸入者に対して指導すること。
  A 当該食品の遡り調査及び回収措置等が可能となるよう、あらかじめ輸入者に対して、当該食品の保管    及び流通状況の把握に努めるよう指導すること。

(2)検査法におけるPCRに用いる反応溶液の入手方法について

   上記「3.検査方法」の(3)の@からBをあらかじめ加えた反応溶液については、国立医薬品食品衛生研究所から入手可能であるので、希望がある場合には以下の連絡先に連絡し入手すること。

   (連絡先)

         国立医薬品食品衛生研究所          

      食品衛生管理部第一室 五十君静信(第一室長)
       住所:〒158-8501 世田谷区上用賀1-18-1
       TEL03-3700-9164
       FAX03-3700-9246
           e-mail: igimi@nihs.go.jp  

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