Q12.国際的な研究状況はどうでしょうか?
Answer
  1996年から1998年頃に欧米で環境科学者による議論が活発に行われ、世界保健機関(WHO)と経済協力開発機構(OECD)が協同してこの問題に取り組むこととなり、世界各国で研究が進められています。
OECDは、既存の試験方法ガイドライン(TG)を見直すとともに、もし従前のTGで対応できないならば、必要なTGを開発を担当することとなりました。現在、OECDでは、各国で分担して、内分泌かく乱化学物質の標準的スクリーニング法注1)の開発等を行っており、我が国も、その一部を担当しています。
他方、WHOは、必要な定義を定め、進められている研究のインベントリ(一覧表)を作成し、基本的な問題を、科学的に間違いのない情報として整理し、提供を行うこととなりました。国際化学物質安全計画(IPCS)注2)では、4〜5年に渡るこのような作業を行い、2002年8月、「内分泌かく乱化学物質の科学的現状に関する全地球規模の評価」注3)を公表しました。

注1)スクリーニング法: 選別法。評価対象物質の絞り込みを行う。
注2)IPCS: 1972年の国連環境開発会議に基づき、策定された国際化学物質安全性計画(International Program on Chemical Safety)。世界保健機関(WHO)が中心となり、国連環境計画(UNEP)、国際労働機関(ILO)が参加。化学物質の安全な使用のための人の健康・環境に関するリスク評価の基盤となること、及び化学物質の安全性に関する各国の機能を強化することが主な役割となっている。
注3)IPCSが、内分泌かく乱化学物質に関連する分野別の専門家が世界中の査読された科学的文献をもとに起草した総括文書を、専門家による評価査読を経たのち公表した、内分泌かく乱化学物質の科学的な現状評価文書。

 

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