平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

ポリ塩化ビニル製おもちゃからのフタル酸エステルの溶出に関する調査研究


分担研究者 山田隆 国立医薬品食品衛生研究所

研究要旨

6〜10ヶ月の乳児のMOUTHING行動の観察の結果、1日のMOUTHING時間は、平均105.3±72.1分で、フタル酸エステルを溶出する可能性の無いおしゃぶりを口にしている時間を除くと、平均73.9±32.9分(最大値136.5分、最小値11.4分)であった。
ヒトが、フタル酸ジイソノニル(DINP)58%を含む玩具の片を口に含んだ際、10cuあたり平均63,7μg/hrのDINPが唾液中に溶出した。この値と、MOUTHING行動の平均時間を用いて、乳幼児が、この玩具を口に入れた場合に摂取するDINPの量は78.4μgと試算された渦巻き振とう機を用い15cuの玩具片に30mlの人工唾液を加えて300回転/分で10分間振とうを行うと・ヒトがchewingしたときの最大溶出量に近似した値が得られた。この方法により・乳幼児が・ある玩具を口に入れた場合、どの程度のフタル酸エステルを摂取する可能性があるかを推測でき
る。

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