平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

高分子素材からなる生活関連製品由来の内分泌かく乱化学物質の分析および動態解析

容器包装素材等からの内分泌かく乱化学物質の動態
血液バッグ保存血液中の内分泌かく乱化学物質の分析

主任研究者 中澤裕之 (星薬科大学)
研究協力者 宮崎豊 (愛知県衛生研究所)
研究協力者 猪飼誉友 (愛知県衛生研究所)
研究協力者 近藤文雄 (愛知県衛生研究所)
研究協力者 伊藤裕子 (愛知県衛生研究所)
研究協力者 松本浩 (愛知県衛生研究所)
研究協力者 岡尚男 (愛知県衛生研究所)

研究要旨

輸血用血液バッグに豚の血液を詰めて冷蔵保存した後、揮発性有機化合物を分析したところ、その血液中にはベンゼン、トルエン、スチレンモノマーなどの芳香族系有機化合物が経時的に増加し・20日の保存期間でこれらは数十ppbの濃度に達することが確認された。これらの化合物は、バッグ中に残存していたものが血中に溶出したもののみではなく、空気中に存在していたものがバッグを通過し、バッグ中の血液に移行した可能性も示唆された。また、これら芳香族系化合物の他に、血液バッグからはテトラヒドロフラン(THF)および2一エチルー1一ヘキサノールが大量に溶出することも判明した。一方、母乳バッグに牛乳を詰めて30日間凍結保存した後、分析を行なったところ、調査した2種類のバッグのうち1種類からはトルエンの溶出が認められた。

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