平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

内分泌かく乱化学物質のエストロジェン代謝系への影響評価に関する研究

分担研究者  兜 真徳 (環境庁国立環境研究所上席研究官)

研究要旨

  内分泌かく乱物質によるエストロジェン代謝系への影響評価を目的として、以下の2つの調査を実施した。1つは、ダイオキシンへの曝露が疑われた集団における血中ダイオキシン濃度とリンパ球におけるCYC1a1,CYP1a2およびCYC1b1のmRNA発現量との関連評価である。今1つは、出産のため入院中の妊婦46名について、食事調査により魚、肉、乳製品などの摂取量推定ををまず行い、それらの摂取量が多い人と少ない人10名を対象として、母乳中ダイオキシン濃度と尿中フタル酸エステル、ビスフェノールAを測定する。尿サンプルについては、さらにエストロジェンとその代謝物である2および16α−ヒドロキシシエストロンを測定する。結果、前者については血中ダイオキシン濃度と3種の代謝酵素mRNA発現量との相関を調べたが、明らかな相関は認められなかった。後者については、魚類等の摂取量と各内分泌かく乱物質との関係、母乳中ダイオキシン濃度と尿中エストロジェンとその代謝物との関係、同じ測定法で測定された集団における母乳中ダイオキシン濃度との比較など一連の検討を予定しているが、調査が予想以上に長引いたため上記測定が遅れているため、結果については次年度報告する

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