研究要旨

  脳の性分化誘導因子であるグラニュリン（grn)遺伝子に注目し、内分泌かく乱化学物質への暴露が新生ラット視床下部における遺伝子発現に与える影響を解析するための基礎研究を行った。合成エストロジェンの一種であるエチニルエストラジオール(EE)を妊娠ラットに経口投与し、胎盤あるいは乳汁を経由して胎子あるいは新生子に移行させた。その結果雌雄新生ラット視床下部におけるgrn遺伝子の発現は、EE処置により増加した。本研究の結果はgrnの内分泌かく乱化学物質の標的分子としての可能性を示唆するものである。