平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

食品中内分泌かく乱物質等の前立腺発がん修飾作用に関する研究

総括研究者  今井田 克己 (名古屋市立大学医学部第一病理学教室助教授)

研究要旨

DMABを用いたラット前立腺がんモデルを用いて,Nonylphenolおよび Genisteinの長期動物実験を現在進行中である。この長期実験の基礎的データを得る目的で,次のような短期間の実験を行った。10週齢の F344雄ラットを用い,Nonylphenolを2000,250,25ppmの濃度で粉末飼料中に混じて3週間経口投与した。その投与終了1日後,1,2,3および 5週後に3から5匹を屠殺し,無処置対照群と比較検討した。その結果,2000ppm投与群では体重の増加抑制が見られた。血中の Testosterone値は投与終了1日後で,各群とも2週後,5週後の値より低値を示したものの群間に有意差はなかった。肝重量では2000ppm 投与群の1日後と250および25ppm投与群の5週後で相対肝重量の有意な増加が見られた。また,相対前立腺重量では25,250,2000ppm投与の いずれの群でも投与終了後1週間で対照群より有意な減少が認められた。本年度は短期間の実験においてNonylphenol投与により ラット前立腺の相対重量が抑制されることを明らかにした。

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