平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

食品中内分泌かく乱物質等の発がん修飾作用に関する実験的研究

総括研究者  広瀬 雅雄 (国立医薬品食品衛生研究所病理部長)

研究要旨

内分泌かく乱物質の乳腺腫瘍発生及び増殖に対する影響を検討する目的で以下の実験を行った。 雄のSDラットに100mg/kg体重の7,12-dimethylbenz(a)anthracene(DMBA)を強制経口投与し、28週まで観察した時点で腫瘍(+)・卵摘(+)、 腫瘍(-)・卵摘(+)、腫瘍(+)・卵摘(-)の各群に群分けし、それぞれ0.1%nethoxychlorの混餌投与あるいは0.5mg β-estradiol 3-benzoate(EB)の 皮下埋植を行った。41週で全動物を屠殺し、乳腺腫瘍の発生頻度、個数および大きさについて検討した。その結果、腫瘍の有無に関わらず EBは乳腺腫瘍の増殖、発生を促進し、逆にnethoxychlorは抑制した。現在同様の実験系で25及び250ppmのgenisteinを混餌投与した実験を行っているが、 250ppm群で腫瘍の大きさが増加する傾向を認めている。また、DMBAと1,2-dimethylhykrazine(DMH)で発がんイニシエーションを行った雄SDラットに nonylphenol(NP)を25ないし250ppmで混餌投与し、乳腺腫瘍の発現について経過観察中であるが、現時点でNPによる影響は認められていない。

戻る

内分泌かく乱物質ホームページに戻る
平成11年度 厚生科学研究報告書のページにもどる