平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

内分泌攪乱物質の免疫機能に及ぼす影響に関する研究

分担研究者  久松 由東 (国立公衆衛生院地域環境衛生学部室長)

研究要旨

現在、内分泌撹乱物質として疑われている物質は、我々が日常生活で 使用しているものにも多く含まれ、70種にのぼる。これらの物質は、野生生物のみならず、人においても生殖器 ガンや精子数の減少につながることが指摘されている。しかし、内分泌撹乱物質の人の健康に対する影響につい てはまだ研究が進んでおらず、早急にこの間遠に対処する必要がある。内分泌系は免疫系と密接に関係しており、 内分泌撹乱物質は免疫機能を低下させていると考えられる。そこで、Tリンパ球系及びBリンパ球系培養細胞を用 い、内分泌撹乱物質が免疫機能を低下させるか否か調べる目的で、内分泌撹乱物質が培養細胞の反応性に及ぼす 影響について調べた。その結果、ノニルフェノール、ビスフェノールA、フタル酸ジ-2-エチルへキシル、フタ ル酸ジ-n-プチル、フタル酸プチルペンジル、フタル酸ジシクロへキシルはTリンパ球系及びBリンパ球系細胞の反応性を 低下させるが、この低下はエストロジェンレセプターアンタゴニストによっても回復しないことが明らか になった。

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