平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

内分泌かく乱化学物質の胎生期および新生児期暴露による視床下部神経核の構造変化と生殖異常に関する研究

分担研究者  長尾 哲二(食品薬品安全センター秦野研究所生殖生物学研究室)
吉村 愼介(食品薬品安全センター秦野研究所病理学研究室)
斉藤義明(食品薬品安全センター秦野研究所病理学研究室)

研究要旨

 内分泌かく乱化学物質の胎児期あるいは新生児期暴露による中枢神経系障害に起因した 生殖機能障害のスクリーニングのための一つの指標として、神経細胞集団である視床下部の 神経核の構造変化を取り上げた。ラットの脳の性分化臨界期である胎生末期あるいは 新生児期初期に内分泌かく乱化学物質を暴露し、視床下部の細胞死(アポトーシス)と神経核、 とくに性的二型核および前腹側脳室周囲核の構造変化を観察し、成熟後の生殖機能障害との 関連性を明らかにする。その結果、数種の合成エストロゲンでは、視床下部神経細胞群の 過剰細胞死が性的二型核の構造に変化を及ぼすことが示唆された。また、新生児期の神経核の 構造変化が性行動を含む成熟後の生殖機能障害に関連することが示唆された。

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