平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

ジエチルスチルベステロールとダイオキシンの相乗的子宮肥大作用とゲニスタインのハーシュバーガーアッセイに対する影響ならびに胎児の子宮内位置による内分泌生殖系に対する影響に関する研究

分担研究者  鈴木 勝士 (日本獣医畜産大学教授)

研究要旨

 前年度予備試験的に実施した広瀬班の経費で実施した実験(い ずれも子宮肥大試験による相乗効果の有無の確認:エストラジオール (E2)、ジエチルスチルベステロール(DES)、およびゲニスタイン(G) とTCDDによる子宮肥大試験での相乗作用、G+テストステロン(T) の八ーシュバーガー試験におけるU字型用量作用関係の検証、胎児期の 子宮内位置の生後発育に及ぼす影響が企画された。試験が現在実施中で あり、前年の予備試験について略記する。E2+TCDDでは投与量は(以 下カッコ内の表記は、E2、Tの順で単位はμg/kgである):1群(対 照群、0、0.)、第2群(0.15、0)、第3群(0.3、0)、第4群(0.075、 2.5)、第5群(0.15、5)、第6群(0、5)および第7群(0、10)。 DES+TCDDでは投与量は(以下、DES、Tの順で単位はμg/kg):1 群(対照群、0、0.)、第2群(0.1、0)、第3群(0.2、0)、第4群(0.05、 2.5)、第5群(0.1、5)、第6群(0、5)および第7群(0、10)。 G+TCDDでは投与量は(以下、DES、Tの順で単位はμg/kg):1群 (対照群、0、0.)、第2群(12.5、0)、第3群(0.2、0)、第4群(6.25、 2.5)、第5群(12.5、5)、第6群(0、5)および第7群(0、10)。 TCDDは試験開始日1回、他の剤は14日間いずれも皮下投与された。 予備試験の全てにおいて、TCDDの単独または併投群で、肝臓の比重量 または実重量が増加しており、皮下の経路から吸収されたTCDDは少な くとも肝臓に対しては作用しているように見える。E2、DES、またはDES との併用によって子宮と膣に明らかな相乗効果は見られなかった。ま た、今回のエストロゲン類では子宮重量に明確な用量反応相関が認めら れたのはGのみであった。

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