平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

雄生殖器系に及ぼす影響

主任研究者 名古屋市立大学医学部 白井 智之

研究要旨

本研究では内分泌かく乱作用が疑われている女性ホルモン様作用を持つビスフェノールAの雄性生殖器とくに前立腺の形態発生、分化および腫瘍発生に対する影響を感受性の高い胎児・乳児期への影響をみるために、F344妊娠ラット妊娠0日から離乳までビスフェノールAを0,7.5および120mg/kg/dayの投与量で毎日強制経口投与した。母獣動物の妊娠期間、出産児数および死産児数のいずれにおいても影響はなかった。10週齢児の精巣の精子数が120mg/s投与群で有意に低値を示した。精子形態異常の発現および精子運動率に有意な差は認められなかった。前立腺発がん物質とDNAの付加体形成には免疫染色上明らかな変化はなかった。現在、細胞増殖活性とアポトーシスについては検討中である。現在ビスフェノールAの最大投与量を120mg/kg/dayとして5段階濃度で胎内・授乳期曝露し,前立腺発がんへの影響を60週間のDMAB発がんモデルを用いて検討中である。

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