平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

ゲニステインの胎児、新生児に及ぼす影響

分担研究者 池上 幸江 大妻女子大学教授委

研究要旨

様々な生活習慣病予防におけるゲニステインの効果が推測されており、最近ではそうした観点から、大豆インフラボン、あるいはゲニステインが健康食品などの形態でも広く利用される傾向がみられる。しかし、ゲニステインはエストロゲン様作用をもっており、内分泌かく乱作用が懸念されている。日本人は大豆・大豆加工品の摂取量が多く、ゲニステインの摂取量や摂取時期による安全性の検討が必要である。これまでの我々の研究から、ゲニステインは骨粗霧症の改善に有効であり、その効果はかならずしもエストロゲンと同じでないことを明らかに.してきた。しかし、母乳を介して乳児に移行すること、また妊娠期や授乳期に母親が過剰にゲニステインを摂取すると、母親の血中甲状腺ホルモン濃度の低下と体重増加の抑制、妊娠への影響の可能性、仔どもでは成長抑制、臓器重量への影響、仔どもの骨形成の抑制などが観察された。

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