平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

毛髪及び血液中のブチルスズ化合物の分析法に関する研究

分担研究者  織田 肇 (大阪府立公衆衛生研究所)
研究協力者  益川 邦彦、藤巻 照久、渡邊 裕子 (神奈川県衛生研究所)

研究要旨

  トリブチルスズ化合物及びその分解代謝物の人体暴露量の調査を目的として、毛髪及び血液を対象とした分析法の検討を行った。内標準物質として安定同位体標識標準品を使用し、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)による選択イオン検出法(SIM)及びガスクロマトグラフ誘導結合プラズマ分析計(GC/ICP-MS)で測定を行った。毛髪及び血液におけるトリブチルスズ化合物(TBT)の添加回収実験(n=6)は、GC/MSの結果からそれぞれ98%(CV値1.9%)、104%(CV値10.4%)と良好な結果が得られた。毛髪試料9検体(n=2)を測定したところGC/MSは3検体から0.014〜0.045µg/g、GC/ICP-MSは7検体から0.005〜0.042µg/gの範囲でTBTを検出した。GC/MSで検出された3検体の分析値はGC/ICP-MSの分析値とほぼ一致した。TBTの検出限界(3σ)はGC/MSが0.01µg/g、GC/ICP-MSが0.005µg/gであった。

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