平成11年度 厚生科学研究費補助(生活安全総合事業)

分担研究報告書

成人血及びさい帯血のクロルデン関連物質
およびヘキサクロロベンゼンの分析

分担研究者  織田 肇 (大阪府立公衆衛生研究所)
研究協力者
宮崎 豊、伊藤 裕子、猪飼 誉友、近藤 文雄、岡 尚男、松本 浩 (愛知県衛生研究所)

研究要旨

  一般の成人を対象としてクロルデンとその関連物質及びヘキサクロロベンゼン(HCB)に対する人体暴露量調査を実施する目的で、これらの物質の血中濃度を測定すると共に、血液提供者に対するアンケート調査により食事の嗜好性、住環境等の情報を得、これらの化学物質の生体内濃度との関連性について検討を加えた。154人の血清試料を分析したところ、93.5%の人からtrans-ノナクロル(0.03〜1.65ppb)が、89.6%の人からHCB(0.02〜2.20ppb)が、また、44.2%の人からはcis-ノナクロル(0.03〜0.44ppb)検出された。さらに、ごく少数の人からはオキシクロルデン(2人、0.24、0.56ppb)やtrans-クロルデン(1人、0.04ppb)も検出された。検出された5種の化学物質のうちtrans-ノナクロル濃度は、年齢及び魚介類の摂取頻度と関連することが示唆された。また。HCB濃度については年齢との関連性が示唆された。また、母体末梢血(9検体)、腹水(5検体)、及びさい帯血(10検体)を用いて同様にCLDs及びHCBへの暴露量調査を実施した。その結果、trans-ノナクロル(0.03〜0.39ppb)は腹水1検体を除く23検体(95.8%)から、HCB(0.05〜0.18ppb)は腹水、さい帯血の全検体を含む20検体(83.3%)から検出された。また、cis-ノナクロル(0.03〜0.09ppb)も4検体(16.7%、うち母体末梢血3検体)から検出された。

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